出版社内容情報
こまやかな言葉づかいを精密に解釈し,成立過程を吟味して物語の全体構造を明らかにする.紫式部の心情や人間観の変化を日記・歌集から丹念に読みとり,なぜ『源氏物語』が書かれたのかを,大胆かつ明晰に推理する.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あかくま
4
源氏物語の成立について、希代の国語学者、大野晋先生が解き明かす。ミステリーを読む思いだった。54帖がその順に執筆されたわけではなく、a~d系(字数がないので詳細は省略)の順に執筆されたとして、それぞれのテーマを紫式部の人生の推移と絡めて考察されている。学術書ともまた異なる趣の深い面白さだった。丸谷才一氏の解説つきの新装版も出ているようなので、そちらを購入したい。2013/05/23
紫草
3
「源氏物語」を読んでいない人のためにあらすじから説明してくれる親切さで、私のような源氏初心者にもわかりやすい。a系b系については、とても説得力あるように思えたけど、学会では少数派らしい。私もちょっと疑問に思う点もあり、その説をとらない方も読んでみたくなりました。単語1つにこだわって意味を探っていくと、ぱっと見例えば「AがBをした」ということに変わりなくても、実はAはそうしたくなかったんだとか、意味だけ掴むのが精一杯の私には初めて気づかせていただけることが多く、ミステリを読んでるみたい。スリリングでした。2020/01/12
サチ
0
レポートの参考文献として。2020/01/04
サチ
0
特講Aの課題1の参考文献として。2020/05/12
サチ
0
a系b系に衝撃。