出版社内容情報
性的逸脱は了解不能な現象だろうか.臨床医でもある著者は,無知と偏見を排して,それを人間関係のゆがみに基づく人格の病理と捉え,性的劣等感と性的罪悪感を対人関係の成熟の中で癒す方法を考察する.
内容説明
性的倒錯、異常性愛は了解不能な現象だろうか。すぐれた精神分析医である著者は、それを人間関係のゆがみに基づく人格の病理と捉え、性的劣等感と性的罪悪感を対人関係の成熟の中で癒す方法を考察する。フロイトの人格発達論に対象関係論の視点をとりこんで論じられた性的人間関係論のロングセラー。
目次
第1章 大人になることのむずかしさ
第2章 性的罪悪感
第3章 性的劣等感
第4章 サド・マゾヒズム
第5章 フェティシズム
第6章 服装倒錯
第7章 女性の同性愛
第8章 男性の同性愛
第9章 露出症・さわり・のぞき・肛門性愛
第10章 ペドフィリア
第11章 治療の方法
第12章 分析的精神療法による治療
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
CCC
5
見えないはずの内面をいきなり決めつけて、それを軸として論を立てて……ということをやり続けると話がおかしくなるのは当然か。ミステリですら動機から答えを導き出すのに慎重になる時代から見ると、このやり方はかなり乱暴に見える。当人より自分が当人の心を分かっているとするなら、それなりの根拠が必要なはず。しかしマシなものでも根拠があやふや。そうじゃなければ連想ゲームを始める。偏見を差し置いても前提の立て方がおかしい。確かめられないから何とでも言える。曖昧さを残して逃げ道も作る。そんな書き方なのに断定してくる。奇怪だ。2025/09/29
ひつじ
5
現代から考えるとふっるいし差別的だし妄言的であるのだけれど、それでも擁護している文章として扱われてるあたりが時代の残酷さを感じる。女性差別的発言もセクシャルマイノリティに対しての考え方もキモいなぁと思ってしまうけれども、これが60年代かぁ……読む必要性を感じない代わりに時代を知るという意味では少しリアルに感じられたかな。気持ち悪くなったけど。2020/08/09