出版社内容情報
吃音のあるマギーは、人とうまく話ができないことに苦しみ、傷ついていた。ふしぎな力に満ちあふれた太古の森で、マギーは捨てられたユキヒョウの子と運命的に出会い、心を通わせていく。けれど、森には破壊の危機が刻々とせまっていた。ユキヒョウと木々をなんとかして守りたい――マギーは声をあげる。挿絵はダイアナ・スディカ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
HISA
4
☆☆☆今よりもっと吃音に対しての理解がない時代に、偏見や冷たい視線にさらされて生きるのはとても大変だったと思う。父親にも理解してもらえないなんてかわいそう。動物や森に対する人間の身勝手なやり方にも胸が痛んだ。マギーが勇気を出して声をあげたのを見習わないといけない。2025/10/14
shoko.m
2
吃音を持つマギーは学校生活がうまくいかず、両親から離れて母方の祖父のところで一時的に暮らすこととなる。医師をしている祖父と自然に囲まれた場所で、うち捨てられたユキヒョウのランパスと出会い、マギーは自分を出せるようになってゆく。マギーの状況がアラン・ラヴィノヴィッツと重なるのは、著者が博士本人の話を聞いたからのよう。動物が大好きなマギーが、ランパスのために思わぬ力を発揮する場面をドキドキしながら読んだ。吃音のことや動物保護がテーマではあるけれど、家族関係の修復やマギーの成長など、ぐっとくるお話だった。2025/11/01
ポラオ
2
●いい話だった。過度に動物を擬人化しすぎてないのも自分好みだった。時代設定は60年代のイギリスで、この時代ならではの動物の扱いが当時はそうだったんだろうなと思いつつ、現代日本人からしたら耐えられないくらいの雑な扱いで、やはり世界は少しずつだけど良くなっていってると信じたいね。2025/05/31
みゅうの母
2
待ってたんです。訳書が出るのを。ロンドンの老舗書店ハッチャーズですすめられて、帰りの飛行機で一気読みしたあの感動がよみがえりました!吃音のある少女と、ユキヒョウの子どもと、森のお話。2025/05/29
kuzira
2
ティーンズ本。岩波スタンプブックスの新刊。 スタンプブックスは現代の子ども、青少年が抱える問題を、物語として読みながら知ることができて、しかも前向きな終わり方で、すごく良い。森のユキヒョウには吃音の女の子が出てくる。「語ることのできないものたちのために言葉を発したい」人前で話すことを恐れる少女が助けを求める動物のために大人たちに理路整然の話す姿に胸があつくなった。2025/05/12




