出版社内容情報
難民滞在施設をでて、親友の家に引っ越したマディーナたち。ようやくこの国で「ふつう」の生活を始めたが、パパは音信不通で、ママはうつ。夢は医者になること、でも家族の面倒を見るので精一杯。そして周りに外国人に厳しい目を向ける人たちが増えて……。力強く語られる、難民一家のリアルな日常。『あいだのわたし』続編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
そらこ
3
『あいだのわたし』の続編。在留許可のおりたナディーナは親友の家の階下で暮らしている。父親は故国に戻った。ナディーナは鬱状態の母親や幼い弟の面倒を見ながら前向きに生きている。やっと居場所をみつけた気持ちになった頃、「ガイジンは出ていけ」とプラカードを持った人が公園に現れる。はじめは小さかった移民排除の声は次第に大きくなる。移民としての苦悩は大きいが、親友との関係、恋、勉学、将来の夢と、15歳の女の子らしい日常の思いが、しっかり書かれているのが魅力。彼女をとりまき支える人々が素敵だ。2025/08/15