出版社内容情報
アフリカゾウの子ラウルとその家族の生活を,平明な文と愛情あふれる写真であらわしながら,象たちの生態や,超低周波音によるコミュニケーションを語る,ユニークな絵本.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アナクマ
26
ケニア・アンボセリのゾウたち(50才の物知りおばあさんが率いる母系群)。水場への行進に疲れて大人の足もとに寝転んでしまう子像が可愛らしい。知り合いの群れと合流もするが「おたがいが、べつべつにはなれた林でしょくじをするのも、おなじばしょで食べものをうばいあうのにくらべれば、かえってよいことなのかもしれません」◉他方、オスの群れ。発情期になると「交尾のあいてをさがします。大またで、けんかあいてはいないか、めすはいないか、と歩きまわるのです」◉94年。著者は象や鯨の音楽生物学者。優れた解説者の作品、ありがたい。2023/08/14
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
9
かがくとなかよしシリーズ。アフリカゾウの子どもラウルと群れを追った写真絵本。オスはいなく、メスだけで群れになっているのは知っていましたが、子どもを守るための強さは深い愛情を感じます。おばあちゃんから受け継いでいる知恵、本能として感じている知識、生きるために必要なことを受け継いで、いつかオスであるラウルも独り立ちするのでしょう。アンボセリに住むシンシア・モスとジョイス・プールがぞうたちを見守り、著者に「アフリカゾウの声を録音しないか」と誘われ実現したそうです。2021/12/23