出版社内容情報
人里はなれた静かな川べで,ヒキガエル,アナグマ,モグラなどがひっそりと暮しています.これらの素朴な動物たちの間におこる,ほほえましい事件を描いた,詩情ゆたかな空想物語.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
らん
23
居心地の良い家。美味しそうな食べ物や分かち合う時間の幸福。正直に気持ちを打ち明けられる勇気づけてくれる友達。何も話さなくても元気づけようとしてくれる友達。どんな事があっても許し助けてくれる友達。ここには家族は描かれていないけれど、ゆるぎない友情や愛情ささやかな喜びがじんわりと胸を温めてくれる。ケネス・グレーアムが息子のために語ったその時間だけでもささやかな幸福を過ごせた事と思いたい。ネズミもモグラもアナグマも、どうしようもないヒキガエルも、みんな愛おしい。楽しい時間の温もりが伝わるカラーの挿絵も良いです。2023/07/24
根岸
4
【図書館】恥ずかしながら、岩波の文学集を読んだのは初めてだった。古い話だし退屈かなと思ったけど、ぜんぜんそうじゃなかった。ほんとにたのしい川べで、ここに住めたらまちがいなく楽しくて幸せな毎日を過ごせると思う。ヒキガエル以外はみんなほんとに気のいい動物で、どうしようもないヒキガエルですら友達であると決して見放したりしないところが立派としかいいようがない。もう絶対変わらないと思ったヒキガエルが改心してそのあとはますます楽しい川べになったんだろうなぁ。これからもちょっとづつこのシリーズを読んでいきたい。2016/10/04
jojo
4
図書館から 分厚くて最後までたどりつけるかと不安があったけど、半分読み進んだ頃にはすっかり物語の中に入り込んでいました。ヒキガエルはなんて幸せなんだろうか。ヒキガエルに裏切られても周りの友達は切り捨てない。これが友情?2013/05/11
菱沼
3
子どもが小さかった頃、毎月配本されるこの全集を買っていた。最近かつて読んだ本を読み返したくなって手に取った。最初に読んだのは、多分私が小学生の頃。以来何度か読み返している。挿絵が『くまのプーさん』のE.H.シェパード、訳者も同じ石井桃子さん。安心して読める。子どもが寝る前にこの本を読み聞かせていた時、モグラくんが自分の家の呼び声に惹かれて泣き出す場面で、子どもも一緒に泣いていて、幸せなクリスマスキャロルの場面まで読み続けなくてはならなかった。ずっととっておきたい全集。2019/09/13
vanxl
1
小さい頃、話はよくわかっていなかったけれど、なんとなく作品の雰囲気が好きで親に読んでもらっていた。 ひさしぶりに読んだけれど、やはり好きな話。2020/05/21