内容説明
ぼくはただ、まちがいを正したかっただけなのに…。ちょっとしたうそが巻き起こす、ドタバタ大そうどう!ドイツのゆかいな児童文学。
著者等紹介
ナオウラ,ザラー[ナオウラ,ザラー] [Naoura,Salah]
作家、翻訳家。1964年ベルリン生まれ。ドイツ人の母とシリア人の父のもとに生まれ、ベルリンの大学でドイツ文学を専攻。さらにストックホルムの大学で北欧文学について学び、卒業後は児童書出版社に勤務。1995年以来、詩、絵本、幼年物語、児童文学を数多く発表、翻訳家としても、翻訳作家がドイツ児童文学賞絵本賞を受賞するなど、高く評価されている
森川弘子[モリカワヒロコ]
翻訳家。広島大学卒業後、マツダに勤務しドイツ語の翻訳に従事。1981年から1982年にミュンヘン大学に留学し、神話学などを学ぶ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぱせり
12
嘘はなくならない。束の間、悲しみや絶望を隠し、希望を与えてくれるからではないか? そんな希望はまやかしで、嘘がばれたときには、元に戻るどころか悲しみや絶望が倍返しになって襲ってくるとしても。山のようにたくさんの嘘の、その奥に、大きなほんとうのことが、たった一つ埋もれているって信じられたら、なんとかなるような気がする。だけど、この話、どこまで本当?2014/06/09
くるり(なかむらくりこ)
4
うそをつく大人のダメっぷりも情け容赦なく書かれているけど、マッティのうそもまったく負けず劣らず困った事態を引きおこすダメっぷり。すべてのダメさにダメ出ししつつも、ただのネガティブ要素に終わらせず、ユーモアに満ちた語り口で、ダメの先にある大切なこと、幸せとはなにかを示してくれる。大人への信頼を失わせては児童書とはいえないし、なんでもかんでもただ「うそは悪いこと!」って言われるよりずっと説得力がある。ドイツとフィンランド両方の文化や日常に触れられるところも、とっても得した気分。2017/07/01
ニケ
3
無口でシャイなフィンランド人の父親と感情の激しいドイツ人の母親。そして大人のつく嘘が嫌いなマッティ少年に有名サッカー選手と同じ名前と髪の色を持つ弟のサミ。物語の展開がめまぐるしく動き出しマッティの心の葛藤にハラハラ心配させられる。多感な少年の良き理解者である母親の兄でいつも穏やかで思慮深いクルトおじさんの「嘘は竹より速く育つ」と言う言葉がキーワードになる。たまには児童書の世界に没頭するのも癒されるなぁ。2013/12/13
コロコロ
1
マッティ少年が、日常に起きる不満やとばっちりをウソでやり抜く話。 沸き起こる不運は宇宙の異変と思い、乗り越え、奇跡を起こせると捉える。 自分の希望や夢をウソと妄想を積み上げた時に、起きた奇跡を見て、宇宙の異変は乗り越えられるものだと思わないかと読者に問う。2020/07/15
こすもす
0
星3つ よくできてた フィンランド勉強2022/09/14