出版社内容情報
2009年11月公開映画『Disney’sクリスマス・キャロル』の原作本。この機会に映画と合わせて読みたい古典的名作です。
内容説明
クリスマス前夜、強欲で気むずかしいスクルージの前に現れた3人の幽霊たちは、過去・現在・未来を見せてくれたのですが…。クリスマス・ストーリーの最高傑作が愛蔵版に。
著者等紹介
ディケンズ,チャールズ[ディケンズ,チャールズ][Dickens,Charles]
1812‐1870。イギリスの国民的小説家。父親が借金が原因で投獄されたため12歳で働きはじめ、22歳で新聞記者になった。24歳で短篇集『ボズのスケッチ集』を刊行し、作家として認められる。歴史に残る数々の傑作を書いた
脇明子[ワキアキコ]
1948‐。児童文学者・翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
吉田あや
54
欲の皮が張り、無口で不愛想、人づきあいが悪く殻を閉ざした牡蠣そっくりだと言われているスクルージ。彼の仕事の共同経営者でたった一人の友であるマーレイの葬儀でも、人情ひとつかけない徹底ぶり。そんなマーレイの死から7年たったクリスマス間近の夜、スクルージの元にやってきたのはマーレイの幽霊だった。生前の罪にあたる重い鎖を体に纏い、休む暇も、落ち着く暇もなく、絶え間ない苦しみと後悔に囚われ、縛られ、長い長い旅をしているという。お金のことばかりを考え、欲だけに憑りつかれていると(⇒)2024/12/23
鴨ミール
29
今年発売された入江杏さんが編著された「悲しみとともにどう生きるか」のなかで、若松英輔さんという方が講演された原稿にクリスマスキャロルの一節がいくつか紹介されていました。今まで何度も読んでいますが、気にもとめないでいたその文に魅力を感じ、脇明子さん訳で読み直しました。2020/12/27
テツ
27
大好きなお話なので愛蔵版を見かけて購入。他人に優しさなど微塵も与えず独り寒々とした世界に生きるスクルージ。クリスマスの夜に訪れた過去、現在、未来の精霊と共に自らの人生を振り返り、その行く末を垣間見て生き方を改める。独りを貫ける強い人間ってきっとそんなにいないんだよな。大抵の人間は他人との交流とそこから生まれる温もりを必要としてしまう。そんなありふれたことに気づかせてくれた聖なる夜の尊さ。他人への優しさと愛は自らも温め慰める。2017/12/08
杏子
21
『クリスマス・キャロル』は子どもの頃に読んだだけで、ずーっと読んでなかったが、この時期にまた読めてよかった。話の細部は忘れていたし、何よりこの美しい装丁の本で読めたこと。幸いだった。脇明子さんの訳も読みやすかった。あとがきで、クリスマスについての解説がまたためになった。ふーん、そうだったのかと。毎年、再読できたらよいかも。2020/12/29
詠月
14
今からでも、人は変われるのだとスクルージが教えてくれました。皆が幸せだと、気兼ねなく贅沢できますし、皆が不幸だとクリスマスどころじゃありません。クリスマスの精神は常日頃から持ち合わせていることが大事。スクルージはそういう人に生まれかわれて良かったです。新たに変われることが、クリスマスの奇跡ではないかしらと思いました。2014/05/12