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走れ、走って逃げろ

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  • サイズ B6判/ページ数 276p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784001155716
  • NDC分類 929.733
  • Cコード C8097

出版社内容情報

ユダヤ人ゲットーで家族と生き別れになった8歳のスルリック.農村で働き森を放浪する日々は過酷そのもの.片腕を失い,ついに過去の記憶をも失ってしまうが,それでも少年は精一杯生きる術を身につけ,友情を育んでいく.実話にもとづいた勇気あふれる物語.

内容説明

第二次世界大戦下のポーランド。ゲットーから脱出したユダヤ人少年は、その時まだ八歳だった。森と農村を放浪する過酷な日々は、少年から片手と過去の記憶をうばった。けれども、少年はけっしてくじけなかった。あどけない笑顔の持ち主は、知恵と力をつくし、ときには友情に支えられて、ホロコーストの嵐を生きぬいていったのだ。

著者等紹介

オルレブ,ウーリー[オルレブ,ウーリー][Orlev,Uri]
1931年、ポーランドのワルシャワに生まれる。ユダヤ人であるため、第二次世界大戦中、ゲットーやポーランド人区の隠れ家住まいをし、ベルゲン・ベルゼン収容所で終戦を迎える。戦後イスラエルに渡り、ヘブライ大学で学んだ。現在、エルサレム在住。1956年、ホロコースト体験を『鉛の兵隊』で発表。1996年、国際アンデルセン賞作家賞受賞

母袋夏生[モタイナツウ]
1943年、長野県生まれ。ヘブライ大学文学部修士課程実用言語コース修了。出版社勤務をへて、翻訳業に専念。1998年、ヘブライ文学翻訳奨励賞受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

はる

55
第二次世界大戦下のポーランド。ゲットーから脱出したユダヤ人少年の実話に基づいた物語。森に隠れ、農村で働く過酷な日々。素性がバレれば死が待っている。常にナチスに追われる展開はスリリング。怖ろしいほど非情な時代の中で、それでも少年を助ける人たちの存在に胸が熱くなる。読みやすい文章で夢中になって読んだ。様々な人たちが登場するが、実話ということで彼らのその後が気になる。重い内容だけれど読んで良かった。2018/01/21

テツ

29
第二次大戦中のポーランドでナチスによる収容所から脱走したユダヤ人の少年。終戦までの三年間を名を変え信仰を偽り生き延びる姿。実話を基に創られた物語は安寧な日々を過ごす僕らの内部に突き刺さる。戦争の悲惨さは人が大量に死ぬことじゃない。それに巻き込まれたら老若男女問わず人間性や人権についての思考が吹き飛んでしまうという部分なんだ。そしてそんな悲惨な時代の中にも手を差し伸べ助けてくれる人間もいる。善も悪も人間性の極致が垣間見えてしまう戦争というイベント。こんなしんどいものはもう金輪際無くていいや。2018/01/21

シュシュ

20
実話に基づいた話。ゲットーから脱出した8歳のユダヤ人の少年が様々な人に出会いながら生き抜いた。名前を変え、「ユダヤ人ではありません。」と言い、キリスト教徒のふりをする。そうしているうちに、自分の過去を忘れてしまう。本当の名前すら思い出せなくなる。壮絶なのだけれど、知識の少ない子どもであるために悪い考えをたくさん持ち合わせていなかったのか、ただ生きることに純粋に必死になっていたようにも思える。ユダヤ人と知って少年をかくまってくれる人もいた。かくまいたくなるのも、人として自然な気持ちであるように思えた。→2015/06/26

Cinejazz

16
第二次大戦下のポーランド、ワルシャワ・ゲット-を脱出し、家族と生き別れとなった8歳のユダヤ人少年(スルリック=ユレク)が、森と農村を放浪しながら、飢えと寒さに耐え、右腕を失いながらも生きぬこうとする過酷な体験を描いた胸迫るホロコ-ストの記録文学です。戦後少年は教育者となり、イスラエルに渡り体験を語り始めます。その聴衆の一人が本著者でありました。『BOOK MARK』のお薦めで、図書館のから借りて読んだ感動の一冊です。2021/03/02

relaxopenenjoy

9
ポーランドが舞台。ほぼ実話とのこと。スルリック(ユレク)の何としても生き残ってやる、という生への執念の強さよ。。ポーランド人にも、ドイツ人にも、ユダヤ人を見捨てる人だけでなく、助ける人も多くいた。淡々とした筆致でユレクが生き延びた実話を描いており、随所で余計にむごさ、残酷さが迫る。2021/04/01

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