出版社内容情報
ある早朝,ジェームズは不思議な女性に案内されて,童話の世界にすべりこんだ.シンデレラ,巨人殺しのジャックなどおなじみの人物たちが物語の続きの生活を送るその世界で,いったい何がおこっていたか….
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェルナーの日記
234
童話の後日談を著者によって味付けされた作品。昔話スターだった”シンデレラ”や『美女と野獣』の”ラ・ベル”、『眠れる森の美女』の”タリーア”は歳をとって往年の美しさを失った中年のおばさんになってしまい、ただ独り若いままの『かえるの王さま』王女ダルシベルを中心に物語は進む。主人公ジェームズは昔物語を読まない現代っ子。『かえるの王さま』の結末を知らない彼は、ダルシベル姫の呪いを解くため年取った『ジャックと豆の木』の”ジャック”爺さんと『巨人退治のジャック』の”ジャック”爺さんの力を借りて巨人を探し出そうとする。2017/10/28
けいねこ
3
SF好きな男の子が、ファンタジーの世界を旅する。それも、「いつまでもいつまでも幸せに暮らし」ているはずの主人公たちのなかを。 「お約束」は「いつまでも幸せに」を約束してくれたわけじゃないのに、また「お約束」に囚われていたり、「お約束」を信じられなかったり。そもそも、「いつまでも幸せに」って、どんな暮らし? 児童書ですが、結構おとな向けの問いかけが潜んでいたりする物語でした。2018/01/11
ろばこ
2
おとぎ話のその後の住人達が住む世界を、ミルドレッドおばさんに連れられて遊びに行く。すっかり老けたお姫様や巨人殺しのジャックたち。ちょっとシュール。挿絵が緻密で素晴らしいのです。2014/09/11
timeturner
1
科学の発達によってすっかり影が薄くなってしまったお伽の国をSF大好き少年がひっかきまわすことで活気づかせる話かと思っていたら、なんだかもっと根深いペシミズムが漂っているようで・・・。でも、この邦題(原題はAre All The Giants Dead?)は素晴らしいな。2012/12/19