リンドグレーン作品集 わたしたちの島で （改版）

アストリッド・リンドグレーン/尾崎義

岩波書店（2006/10発売）

• サイズ A5判／ページ数 408p／高さ 22cm
• 商品コード 9784001150759
• NDC分類 K949
• Cコード C8397

出版社内容情報

夏休みにバルト海の小さな島にやってきたメルケルソン一家のお話．彼らが借りた家は，煙突はすすだらけ，雨もりもする始末．しかし，島の子どもと仲よしになった都会っ子たちは，広大な海べで大元気．

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[mocha]

幸せな時代、幸せな島の極上ホームドラマ。ドジなパパと生意気な女の子チョルベンのやりとりは、アメリカのシチュエーションコメディを彷彿とさせる。島の風景と動物、のびやかなこどもたち、すべてがいきいきと輝いて幸福感でいっぱいになった。どんな端役の人物も人となりがくっきり思い描けるような筆の巧みさはさすがだ。カエルが王子に変わった瞬間にはどきどき。リンドグレーンがますます好きになった。

2017/06/06

[こもも]

読み終わった時「リンドグレーンは天才だ！」と、立ち上がって拍手したい位だった。美しい自然の描写、魅力的な人々、ワクワクとドキドキの物語。自分もそこにいて、一緒にウミガラス島を駆け回っているような気がしてくる。それにしても、父さんのとぼけっぷりは最高!声をあげて笑ってしまい、外出先で困ってしまった。小学生の頃、エーミール、ロッタ、ピッピ、カッレくんを愛した息子に、この本を読んであげなかったことが本当に残念。我慢できず、高校3年の息子に「面白いよー」と話したら、「大学受かったらね」と冷静に返されました。

2014/07/28

[志田健治]

素晴らしかったです。リンドグレーン作品を読み続けて、ここまで辿り着けて良かった。本当に感動して、ついさっき読み終わったばかり、胸が熱くて幸せな気持ちでいっぱいです。やはり何気ない生活の中でひっそりと輝く幸福を描くのが天才的ですね。ここにきて更に極まったという気がします。それぞれの人物も、動物も、ウミガラス島の全て生き生きと描かれ、無生物までもがのんびり鼻歌を歌ってそうな情景が目に浮かびます。訳者の尾崎先生も冥利につきる仕事だったのではと思ったら、あとがきを読んで驚きました。遺作にふさわしい作品でした。

2015/02/20

[ブラックティー]

読んでいる間中、メルケルソン一家と一緒にウミガラス島に滞在しているかのような気分を味わいました。何気ない日常生活が子どもたちにとって冒険に満ちているということが、時にユーモアを交えて活き活きと描かれています。最後の2章の筆運びはさすがリンドグレーン！鮮やかな手並みです。

2012/02/25

[ぱせり]

この本を開くたびにひんやりとした気持ちのいい風にあたり、海や森のにおいをかぎ、深呼吸したくなる。

2008/07/10