内容説明
「こぶとり」「大どろぼうの大太郎」「腰折れ雀」「うんぷてんぷふりわけ双六」をはじめ、鬼や狐の活躍する話、美しい話、こわい話が集められた鎌倉時代の説話集から、昔も今も変わらない人の心のふしぎさを描いた、小さな物語47編。中学以上。
著者等紹介
川端善明[カワバタヨシアキ]
1933~。京都女子大学文学部教授。京都大学文学部大学院修了。専攻は国語国文学。日本語文法の研究のほか、『今昔物語集』など、説話集の注釈にもたずさわる
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感想・レビュー
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たつや
49
岩波少年文庫のラインナップを見て、知った本です。タイトルを見ただけでは内容は分からず、でも、どんな本だろう?期待しつつ予約し、借りました。今昔物語以降、平安朝の中期以降、源隆国と言う人が街道を行き交う人々を引き止めては、古今東西の話を聞き、草子に書き留めさせ、本にまとめ今日まで残すことになったらしい。約50の短編集ですが、不気味で怖く汚ない話が多い。ある意味、人間味溢れていて、教訓めいていて、面白い。「こぶとり」の最後には「人のことを羨ましがってはいけない」とある。現代に通じる。2016/12/21
アルピニア
38
第11回 日本の古典を読む(2017年11月)https://bookmeter.com/events/4015 48話収録。現代語訳のみ。説話的なものから、妖怪の話、高貴な人の暴露話など、うわさ話を聞くように気軽に読める。「瘤とりじいさん」の話もあり、七百年以上もの長い時を読み継がれてきたことに感動してしまった。「隣のお葬式」「海賊発心」「吉野山の鬼」「夢を買った話」が印象に残った。「あとがき」では、「今昔物語」との対比という観点でわかりやすく解説されている。2つの物語集の読み比べもしてみたくなった。2017/11/24
mahiro
24
この説話集は原文でも読んでいるが少年少女向けなのでとても読みやすく分かりやすい。今昔物語と重複している話もあり、皆が知ってる「こぶとり」や徒然草にもあったような気がする「稚児とおはぎ」応天門の変を記した「伴大納言」、信貴山縁起絵巻でおなじみの「信貴山のものがたり」など… 又都の地図が載っていてこの本に出てくる話の場所が示されているのがとても良かった、地図があると実感が湧く。2025/04/14
takaC
17
「あとがき」も『宇治拾遺物語』的だった。(笑)2010/12/31
はる
13
図書館本。【勝手にせっせと岩波少年文庫を読む年】もしかして「おはなし」として語れるものがないかなと思いながら読んでみた。知っている話、知らない話、忘れていた話、取り混ぜて面白く読み終わってしまった。そして、もう少し原文に近いものも読みたくなった。さすが少年文庫、ややこしいところをうまく暈しながらもさらっと生娘などと書くところがのう…。一番印象的なのが「けんのごぼう」!「剣の護法」でいいのに。2018/01/28