出版社内容情報
明治期の日本をこよなく愛し,「小泉八雲」の日本名を持ったハーン.「雪女」「耳なし芳一」などの短編のほか,新鮮な日本の印象「東洋の土をふんだ日」,幻想的な旅の記「夏の日の夢」などの随筆(抄)を収録.
内容説明
明治期の日本をこよなく愛し、小泉八雲と名乗ったハーン。日本の不思議な物語を題材とした短編「耳なし芳一の話」「常識」をはじめ、新鮮な日本の印象をつづった「東洋の土をふんだ日」など随筆も収録。
著者等紹介
脇明子[ワキアキコ]
香川県生まれ。児童文学者、翻訳家。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。ノートルダム清心女子大学名誉教授。「岡山子どもの本の会」代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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NAO
64
『雪女』『耳なし芳一の話』をはじめとする怪談11篇と、エッセイ4篇(うち三つは抄)。特に、エッセイが素晴らしい。彼の美的感覚と、幽かな美をも感じ取る繊細さ。八雲によって収録された日本の怪談は、彼のこの繊細な感性があったからこそ、美しくも妖しい言葉で紡ぎ直されて、永遠の命を与えられたのではないだろうか。脇明子の美しい翻訳も魅力的。2017/07/03
たつや
41
借りてページを開くまで、小泉八雲だと思いませんでした。ほぼ再読になる短編集でしたが、「東洋の土をふんだ日」は初読でしたが、感銘を受けました。2017/01/22
riviere(りびえーる)
17
今は冬なので『雪女』を読み聞かせしようと思って読んだ。日本の民話が、西洋人の著者によって美しくエレガントによみがえっている。幽霊に恋をし、添い遂げるなら幽霊になっても構わないとまで想いつめそのとおりになる「伊藤則資の話」などは非常にロマンチックだし、後半に収められているいくつかのエッセーは、”日本に恋している”のではないかと思うほど日本愛にあふれている。「夏の日の夢」に出てくる浦島太郎のお話は、よく知られている昔話だけれど、彼の手になるとヨーロッパの香りがする。 2015/12/18
joyjoy
11
脇明子訳。物語12編、エッセイ4編。どれも読んでいてすーっと引き込まれる心地よさがあった。「東洋の土をふんだ日(抄)」を読むと、泣きたくなった。八雲の日本への熱い思いに心動かされて。そして、最後の「夏の日の夢」を読んで、浦島を哀れに思う気持ち、と、自分が「東洋の…」を読んで泣きたくなった気持ちは、同じかもしれない、と感じた。八雲が「…日本全部がほしいのだ」というほどに愛してやまなかったその日本は、どこへ消えてしまったのか。。。 「神々の集う国の都(抄)」では加賀について触れられている!帰省がより楽しみに。2024/07/31
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
7
『授業で役立つブックトーク』 https://bookmeter.com/books/5540025 より備忘録。【国語 テーマ ちょっと角度をかえて】まさかさかさま→どこでもない場所→だまし絵の描き方入門→耳なし芳一(岩波少年文庫『雪女 夏の日の夢』より)→グリーン・ノウの子どもたち→日本人の知らない日本語→藪の中→むこう岸には 2020/08/07