出版社内容情報
花果山の石から生まれた孫悟空は,72通りの変化の術を使って,縦横無尽の大活躍.インドへ経典を取りに行く三蔵法師を助け,数かずの妖魔を退治しながら冒険の旅を続ける.〈改版〉
内容説明
唐の国からはるばる仏典を求めてやってきた三蔵法師たちは、ついに霊山の頂上に到着する。そして、大事をなしとげた三蔵法師・孫悟空・猪八戒・沙悟浄はそれぞれ新たな道へ―大冒険旅行の完結編。中学以上。
著者等紹介
呉承恩[ゴショウオン]
1500‐1582。中国の明代の作家。字は汝忠、号は射陽といった。江蘇省淮安の出身。少年のころから秀才の誉れは高かったが、文官試験にはなかなか通らず、官吏になったのは、60歳を過ぎてからであった。6年ほどで職を退いて郷里に帰り、詩と酒を友にして余生を送ったという
伊藤貴麿[イトウタカマロ]
1893‐1967。神戸生まれ。1920年、早稲田大学英文科卒。浜田広介らとともに童心主義作家の時代に活躍した
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感想・レビュー
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レモン
47
妖魔との戦いで足止めされるのもあってか、まる14年かけてようやく天竺へ到着。悟空ばかり活躍していたが、沙和尚もちゃんと並みの人間に比べると強かったのね。八戒みたいにもうちょっとアクが強くても良かったのに。戦いの最中に妖魔が「ちょっとお腹が空いたんで、朝ごはん食べてくる」って感じで、一時休戦するのが笑える。しかし、菩薩たちは乗り物のケモノに逃げられすぎでは?みんな和尚にされた話が特に面白かった。楽しい旅だった。読んで良かった。2022/06/19
たつや
45
大筋に、細かく敵やエピソードを挿入し、長編にした感じはすごくする。しおり大活躍で読了。でも、パターンが読めると飽きてくる。古典なので、長すぎという感想は避けなければ。2017/03/16
KAKO
15
三蔵一行の旅完結。下巻は中だるみせず面白かった。表紙は牛魔王の妻、羅刹女と芭蕉扇。戦いのスケールも大きくなり、火炎山での牛魔王、羅刹女との闘いは有名。羅刹女が気高い感じで素敵。小雷音寺での魔王の何でも盛り込んでしまう袋。悟空はその秘密を知っているが、味方に呼んできた者は悉く盛られてしまう。しかも何度も。知ってるんなら、最初にみんなに注意しろよ、と絶対ツッコミが入ってるだろうな。三蔵一行みな位が上がり、そしてなんと洒落た終わり方。数々の天界から逃げ出し妖魔化した生き物たちも、実は修行のための計画だったかな?2025/03/21
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
12
岩波文庫で読むと10巻なので、こちらを読みました。中国の文化を知っていなければわからない冗談が随所にあり、解説がついているので理解出来ました。登場人物に昔見たドラマの先入観がありましたが、 孫悟空が面倒事の解決力はスゴイ!、 ホンモノの三蔵法師がこの物語のような人物だったのか疑問だけれど、現代の世界史の教科書にも名前が載るような偉人が、親しみやすい人物になっているのも魅力的です。読了後、やはり岩波文庫全10巻を読みたくなりました!2020/03/02
tyfk
10
敵キャラ襲来、アイテム駆使して戦闘、たまにボーナスポイント、とかの展開はRPGそのものだけど、人の名前やら仏教用語やらが漢字・漢語なのが異化効果か。上巻で破門されるまでは、孫悟空ほんと野蛮で傲慢な殺戮マシンって感じなのが、中巻になるとだいぶヒーローぽさが増してくる(って少年マンガの肝か)。三蔵法師は何度も食われそうになるので、それなら夏目雅子でもいいなと納得。仏教も道教も兄弟みたいなもの、みたいな大雑把なのもなんだか。全100話の概略みると、だいぶ略してあるなと。2024/11/17