出版社内容情報
武芸の達人や妖術使いたちなど,宋江をはじめ108人の豪傑が,梁山泊を根城に弱きを助け強きをくじいて大活躍する.『三国志演義』『西遊記』などとともに,長年にわたって中国と日本で愛され親しまれてきた,中国四大奇書の1つ.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
徒花
327
いよいよそれまで各地をフラフラしていた豪傑?たちが集結し始めて組織的に活動を始めるようになってきたので、それにともなって集団戦の描写が増えてきた部分がおもしろい。ただ、相変わらずとにかく暴力にすぐ訴えて、関係ない人でもぶち殺したりする。あと、まだあの暴れん坊である魯智深が合流していないので、これからどうなるかも楽しみ。とにかく最後の引きが強いので、近いうちに最後の巻も読んでおきたい。2017/02/11
saga
55
前半の武松、途中から宋江の英雄譚らしき方向に進むのだが、どうにも浮き沈みが激しい。好漢と言われる男たちも強いんだか弱いんだかわからない。県から県をつなぐ街道には、しびれ薬を飲ませて旅人を殺す一軒家の酒屋。朝廷から地方に派遣された腐った役人。時代の一面を描いているのだろうな。そして梁山泊という権力に抗う集団が喝采をあびたのだと感じた。梁山泊は旅人、隊商、街を襲うという体質に変わりなく、生産性のない集団なんだがな~2024/01/27
藤月はな(灯れ松明の火)
48
宋江に降りかかる艱難辛苦。だがそれによって天から世を正す使命を与えられることになる。残りの仲間も続々と梁山泊へ集結中。それにしても隙あらば人肉饅頭の餡になる危険率の高さが物騒過ぎる!そして四十九日に来ただけなのに修羅場に巻き込まれるご近所さんや処刑を見物しに来ただけなのに巻き込まれて殺される民衆などの無関係な者達のとばっちり感がやはり、印象深い。やっぱり、私が思う「弱きを助け、強きを挫く」と中国のは違うようだ。女性像も男の義侠心を強調する為に消費される悪女ばかりで不満が堪る中、勇猛な扈三娘登場に胸が躍る。2024/04/24
たつや
46
金蓮が夫を毒殺するくだりは、現代の刑事ドラマやミステリーにも通じる物があり面白い。徐々に役者が揃いだし、一話完結の豪傑伝が合体していく。でも、やはり、主要人物の紹介や表は必要だと思う。見やすいものを研究して作り、再版からは掲載すべき。2017/01/21
鮭
14
ようやく主人公宋江が活躍し始める中巻。どの巻でもそうだが、出てくる女性は問題ある毒女が多い。男尊女卑の極みも水滸伝の特徴なのかもしれない。2015/11/19