出版社内容情報
こおろぎになった少年,菊の精の姉弟,豆つぶのように小さい犬-人間と幽霊・妖精・動物たちとの不思議な交流を描いた中国清時代の短篇集から31編を選んだ.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アルピニア
62
「聊齋志異」は、清の蒲 松齢が26年の歳月をかけて執筆した全12巻494篇からなる怪異小説。日本に渡来したのは、江戸時代後期らしい。これは、その中から異なる傾向の代表的作品31篇を選んだもの。読み始めてすぐ、夢枕 獏氏の「沙門空海・・」を思い出した。日本の怪異とは一味違う。妖しや幽鬼、精霊などとの距離感が独特だと思った。特に人ならぬものとの厚い友情にはお互いの懐の深さのようなものを感じて温かい気持ちになった。挿絵(版画?)も素朴な味わいがあって良かった。次は、別の人の編んだ一般向けのものを読んでみたい。2019/05/19
たつや
49
中国の昔話のような31篇の短編集ですが、どれも教訓めいていていて、読み込めば深く味わえそうです。「コオロギと少年」はなるほどと思う反面、もう少し捻りがあればなと思ったりもする。イソップ童話もまた、読みたくなった。岩波少年文庫がこんなに面白いとは!なめてました!もうちょっと、開拓を続けたいと思う岩波少年文庫の魅力。2016/12/03
たつや
46
又読みたくなり再読。中国の怪奇幻想短編集。どれも短く、皮肉や教訓めいた味わいもありサクッと読める。2017/05/15
Nyah
40
電子図書館で借りた。最近コミックスで読んでるけど、同じ話を期待したけど、読んだ話がわからなかった。子供向けに編成して少なくなってるからかしら。 2022/07/23
なお
38
『聊斎志異(りょうさいしい)』は清の蒲松齢(ほしょうれい)が書いた怪奇幻想小説集。蒲松齢は将来を期待された秀才だったが、科挙試験を49歳まで受験し続け、その後あきらめて家塾の教師になる。当時世間に口伝されていた神仙、幽霊、妖狐等にまつわる怪異譚に手を加えて494篇の短篇小説にした。本書の31篇は恐ろしい話もあるが、大抵の物の怪は人と親しく付き合い、異世界と現世を行ったり来たりしているような不思議な話だった。寝台の南京虫を退治する「小さな猟犬」が好き。実際の于七の乱を題材に取った「犬神」にゾクッとしました。2024/06/07
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- 秘密 【講談社版】 講談社文庫