出版社内容情報
「さあ、ぼくらの宝さがしの始まりだ」――緑ゆたかな夏の川で、デイヴィッドはカヌーの持ち主のアダムと出会う。二人はカヌーにハヤ号と名付け、アダムの家に伝わるバラにまつわる謎めいた詩を手がかりに、かくされた宝をさがしまわるが……。少年たちの冒険をいきいきと描く、イギリス児童文学の傑作。ピアスのデビュー作を新訳で。
【目次】
主な登場人物
1 夏の洪水
2 だれの船?
3 はじめての船旅
4 コドリング家の人たち
5 カヌーの修理
6 壁の肖像画
7 宝物の話
8 橋をわたって
9 モス家の食卓
10 フォリー・ミルとひと巻の細ひも
11 もう一度だけ
12 「おれの手おし車の板だ!」
13 古い水路
14 月夜の宝さがし
15 コドリング老人、笑う
16 ジョン・コドリング、家に帰る
17 新しい立てふだ
18 ピップスクウィーク
19 いきどまり
20 パーフェクトさんのあいまいな記憶
21 カースルフォードいきのバス
22 スミス家の人たち
23 地下室から屋根まで
24 ヘイ・ホー!
25 お茶の時間に宝物を
26 ぜったい言わないで、デイヴィッド!
訳者あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
洋書好きな読書モンガー
27
岩波少年文庫の児童書の最新刊(児童書は1〜、世界名作文学は501〜)。作者フィリパ・ピアスの生まれ育ったケンブリッジ界隈の村と川を舞台にした2人の少年とカヌーのひと夏の冒険物語(地名は変えているけど)。ランサム・サーガの川が舞台の「オオバンクラブ」「6人の探偵」+グーニーズの様な物語。暑い夏は川遊び系の話が読みたくなる(頭の中はCindy Lauperの歌が止まらない)。落ちぶれてしまった16世紀から続く名家の少年の宝探し。うまく行くのか?2人の友情が良い話。2026/07/10
たかはしあめ
12
夏の男子の友情。宝探し冒険物語。浅いセイ川、ぼろぼろカヌーをニスでなおした多感な2人の少年。川の美しい景色が目の前に浮かぶようでした。あと、私の大好きなチムとゆうかんなせんちょうさんのエドワードアーディゾーニの扉絵がほんと素晴らしかった。最後の最後に、ある覚悟を持ってデイヴィッドが大きな石を集めてカヌーの傍に黙々と積み重ねていくシーンは、そうとう切なく、カヌーどうなっちゃうんだろうか…。とドキドキしました。2026/09/03
かはほり
8
原書は『MINNOW THE SAY』1955年。70年前田三恵子訳、74年足沢良子訳(84年若干修正)がある名作。やはり今回の訳が一番読みやすかった。原題のMINNOWは、小魚とかとるに足らない人という意味があるそうで、この物語のキーマンである登場人物が、最初から呼び捨てだった意味が最後でようやく気が付いた。北海道の釧路湿原をカヌーで流れの緩やかな釧路川下りしたことがあるけど、本当に楽しくてハマったので、少年たちのワクワク感にも共感できました。あと大好きなアーディゾーニさんの絵が文句なしに素敵ですね。2026/08/09
ウルトラマンエースの母
8
ディビットとアダム、10〜12才の男の子2人がカヌーでアダムの家に伝わる宝物を、手がかりの詩を読み解きながら探していく。アダムは宝物を見つけないと家を無くして遠くに行かなければならないならないという、切羽詰まった状況。新訳でもあり、古さを感じさせない。ピアスの初作品。2026/08/02
泉のエクセリオン
8
『トムは真夜中の庭で』のフィリッパ・ピアスのデビュー作。イギリスの田園地帯を舞台に、セイ川の下流に住む労働者階級の家に育った男の子デイヴィッド家と、川の下流に住むかつては裕福であったが、今は経済的に苦しい生活を送るアダム・コドリング家との、宝探しを通した交流を描く。宝探しと言っても、『宝島』のような壮大な冒険の話ではなく、セイ川上流下流に留まる。コドリング家のタイムリミットが迫る中、宝が見つかるまでの展開がもどかしく、最後まで宝に関して謎めいた内容なので、穏やかな田園風景に比して釈然としない読後感を憶える2026/05/22




