出版社内容情報
十五夜の晩、山里に暮らすおばあさんのところへ、月のおじいさんがわらじを注文しにきます。お礼にくれたのはトウモロコシの種。その種から生まれた男の子トウヤーヤは、やがて金の鳥をさがす旅にでて、数奇な運命をたどりますが――。歌やなぞのかけ合いが楽しい、中国チワン族の民話を素材にしたお話。さし絵・太田大八。
内容説明
十五夜の晩、おばあさんのもとへ、月のおじいさんがわらじを注文しにきました。お礼はトウモロコシのたね。そのたねから生まれたトウヤーヤは、やがて金の鳥をさがして旅にでますが、さあ、そのゆくてには…。中国チワン族の創作民話。小学2・3年以上。
著者等紹介
蕭甘牛[ショウカンギュウ]
1905‐82。中国の民話研究者、児童文学作家。広西桂林出身、チワン族。桂林師範学校時代に詩作をはじめ、中学教師時代に少数民族の伝承採集をはじめる。中華人民共和国建国後まもない1955年から続々と児童向けの民話集を出版し、民間伝承採集の先駆的役割を果たした。民話を土台にした新しい児童文学の創作にもとりくみ、『月からきたトウヤーヤ』はその最初の作品
君島久子[キミシマヒサコ]
1925年栃木県生まれ。国立民族学博物館名誉教授、中国中央民族大学および雲南大学名誉教授。中国諸民族の民間伝承を研究。産経児童出版文化賞、日本翻訳文化賞、巌谷小波文芸賞などを受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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NAO
48
月のおじいさんがくれたウサギの歯を埋めて生えてきたトウモロコシから生まれたトウヤーヤの冒険を描いた中国チワン族の創作民話。3つの段階に分かれている話の中で何度も出てくるのが、なぞなぞだ。わらじおばさんがわらじを作りながらうたう歌やトウヤーヤが冒険の要所要所で解くなぞなぞ。そこには、素朴な生活をおくるチワン族のおおらかさと明るさが溢れている。2025/03/09
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
11
12月予定の4・6年生のブックトーク授業【テーマ 冬休みに読んでみよう】用に選書。中国チワン族の民話。主人公と密に関わるのがわらじばあさんだし、なぞなぞが出たりするのでもう少し小さい子でも読めそうです。2019/11/06
NakaTaka
7
中国のお話。「白いりゅう黒いりゅう」同様、スケールの大きさを感じる。果てしない山、川。貧しさ、権力にモノを言わせた横暴。このお話のラストは、物足りないと言うわけではないけど、ここで終わるのか、そうか・・と言う感じでした。2017/11/03
パンケーキ
6
民話らしい柔軟な展開と、理不尽な王様の存在、最後は読者の想像に任せる自由さが面白く、あっという間に読んでしまいました。 綿姫が「やっぱり思い直しましたわ!」と戻ってくる場面がとても好き。ネガティブな考えなんて一瞬で捨てればいいんですよね。見習いたい!2019/05/12
MizIno
5
中国チワン族の口承民話から再話された童話。2部編成で、「トウヤーヤの物語」と「消えたトウヤーヤを探す物語」に分かれている。恐らくは、長い年月伝承される中で時代に沿って拡大したストーリーが再話段階で整理されたものだろうが、独特の奥行きを感じられた。民族性が表れていてとても面白い物語だった。 あとがきに、チワン族と作者の紹介がなされているのも良かった。2019/06/27