出版社内容情報
ダイヤの館の元執事をたすけるために、ミス・ビアンカは、ひとり救出作戦を開始する。シリーズ第3作。
内容説明
池のほとりの古い塔に、ダイヤの館の元執事がとらわれていることを知ったミス・ビアンカ。悪人だからといって見すてることはできないという考えに、囚人友の会は大反対。たったひとりで救出作戦を開始します。シリーズ第3作。小学4・5年以上。
著者等紹介
シャープ,マージェリー[シャープ,マージェリー] [Sharp,Margery]
1905‐1991。イギリスのソールズベリーに生まれ、子ども時代の数年間をマルタ島で過ごす。ロンドン大学卒業。作家を志し、21歳のときに「パンチ」誌に作品が掲載される。1930年『しゃくなげのパイ』で作家デビュー後、大人向けの小説や児童文学など数多くの作品を執筆した
渡辺茂男[ワタナベシゲオ]
1928‐2006。静岡市生まれ。慶應義塾大学卒業。米国ウェスタン・リザーブ大学大学院修了後、ニューヨーク公共図書館に勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
56
ビアンカが自分の美貌を自覚的に利用しているのに少々驚く。子どもの視点ではここまでわからなかったからなぁ……。ねずみたちの恋のさや当ても見てみたかったかも。2018/03/26
マッピー
14
船遊びのピクニックで、ミス・ビアンカは古びた塔に誰かが閉じ込められているらしいことに気づく。閉じ込められていたのは、ガラスの館で大公妃に仕えていた執事のマンドレーク。脱出するだけではなく、真っ当な人間として生きていくための手立てをも考えるミス・ビアンカ。果して彼は本当に改心するのか。そしてミス・ビアンカはどうやって出口の見当たらない塔から彼を脱出させるのか。今までで一番読後感が良かった。あんまり人の悪意が甚だしくなかったし、更生させることができるというミス・ビアンカの信念もよかった。2023/03/04
spica015
9
ミス・ビアンカのエレガントさが本当に素敵。前時代的な理想の女性像ではあるが、ねずみであることを差し引いてもその振る舞いには憧れてしまう。今回のミス・ビアンカは囚人友の会を辞め、自分の信念のもと、元悪人を救出しようと奮闘する。「ミス・ビアンカは、完璧な淑女であると同時に、完璧な紳士道をわきまえていました。」という一文が彼女の性格をよく表していて、お気に入り。脇役も、バーナードやシャーン、体操教師などそれぞれ個性が光っている。わけてもサー・ヘクターは格好よく、美味しい場面をかっさらう。挿絵もたっぷりで楽しい。2018/06/22
あられ
9
池のほとり古い塔に囚われていたのは、大公妃の元執事・マンドレーク。目一杯敵役の、そのひとを、救いだすと決意するミス・ビアンカ。孤立無援の状況で、さて。。。ひとりでも決めたからにはやりとげる。彼女の思いに手を貸すものが、ひとり、ふたり、集まり。。。サー・ヘクターもそのひとり(1頭)。危機一髪のそのときに、お見事な活躍。無理だとあきらめてしまえば、そこまで。だが、なにかいい手はないか、どこかに抜け道はないか、頭をひねる、そうすれば道は開かれる。知恵と勇気の物語でした。2016/10/31
timeturner
3
人を信じるには時には大きな勇気が必要で、自分の疑心と闘いながら貫くしかない。愛する人を闇雲に危険から遠ざけ庇護することは本物の愛とはいえない。今回は深かったなあ。2016/09/26
-
- 和書
- 塵に訊け!