内容説明
哲夫は同い年の女の子みどりとともに長岡の町をめぐる。ゆかりある人びとや不思議な光景にみちびかれながら、しだいにふたりは家族の過去と向き合うことになる。早春の長岡を舞台に少年の心の成長を描いたタイム・ファンタジー。小学5・6年以上。
著者等紹介
斎藤惇夫[サイトウアツオ]
1940~。新潟県生まれ。小学1年より高校卒業まで長岡で過ごす。立教大学で法律を専攻。デビュー作『グリックの冒険』(1970)で日本児童文学者協会新人賞受賞。つづいて、『冒険者たち』(1972)、『ガンバとカワウソの冒険』(1982、野間児童文芸賞受賞)と発表して、ガンバの冒険シリーズを完成させた
金井田英津子[カナイダエツコ]
1955年群馬県桐生市生まれ。筑波大学大学院修了。国内外で版画作品を発表するかたわら、本の装丁・装画を手がける。長谷川摂子『人形の旅立ち』(第18回赤い鳥さし絵賞、第38回造本装幀コンクール審査員奨励賞、福音館書店)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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たつや
43
あとがきを読んで、初めてガンバの作者と知り一人赤面。何となく、大林宣彦の映画の世界を思い起こさせますが、当初、作者の自伝的方向性だったそうですが、作者の息子さんが亡くなり、少し変えたそうです。鎮魂的作風に変えた?ノスタルジックな雰囲気の思わぬ良作でした。2017/01/08
timeturner
4
人は幸せになるために生きているのではない、ただただ深く感じとるために生きている……。人、町、家、庭の過去と現在をつなぐファンタジー。今すぐにはわからなくても心の中にずっと残りそうな何かがある。2016/04/03
motoroid
3
写実的なタイム・ファンタジー、長岡市に行きたくなった。詩や歌、昔話に加え、電車の揺れや夕暮れ、霧や靄など時間を行き来する小道具が自然で、不思議な物語ですがすんなりと入り込めました。ただ大人が子どもに正直に心情を話すシーンは、読んでて気恥ずかしいかったです。2017/07/29
kotaro
1
★★★★★★★★☆☆2021/09/19
よっちゃん
1
小学生がこんな言葉遣いをするだろうか?とか、これまでの伏線が全部回収できていないような?という疑問が…。私の理解力がないだけかな(笑)上巻は面白かったけれど、下巻の後半はざっと読みになってしまいました。児童文学としてではなくて、大人向けの小説としてがっつり、細かい部分まで読み込んでみたいな〜と思う物語でした。2017/08/02