出版社内容情報
ロンドンの寄宿学校にはいったセーラは,裕福で賢く,学校じゅうの人気の的.ところがある日,父親の事業が破綻したという知らせが届き,セーラは一文無しの孤児になってしまう――どんなつらい目にあっても,持ち前の想像力を思う存分はたらかせて,誇りと友情をつらぬいた少女の物語.人気の名作が新訳でよみがえる.〈さし絵・小西英子〉
内容説明
ロンドンの寄宿学校でみんなから「公女さま」と呼ばれていたセーラだが、孤児になったとたん、下働きとしてこき使われる身に。つらい毎日に耐えていけたのは、想像力のおかげだった。誇りと友情を失わなかった少女に起きた奇跡とは。小学4・5年以上。
著者等紹介
バーネット,フランシス・ホジソン[バーネット,フランシスホジソン]
1849‐1924。イギリスのマンチェスター生まれ。幼いうちに父親が亡くなり、1865年、母親と兄妹とともに伯父をたよってアメリカへ移住。貧しい家計を助けるために物語を書いて雑誌に投稿し、それが掲載されたのをきっかけに作家活動をはじめる。24歳で結婚した後もつぎつぎと作品を発表し、大人向けの長編『ローリーの娘』によって、アメリカとイギリス両国で高く評価されるようになる。代表作『小公子』『小公女』『秘密の花園』は児童文学の古典として、長く読みつがれている
脇明子[ワキアキコ]
児童文学者・翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Apple
30
セーラの気高い心に触れて、読んでいて気持ちの良い物語でした。彼女の心にあるのは革命で捕まっても王族として民を思い続けたマリー・アントワネットで、彼女もまた王の器を持っており、それを存分に発揮する場面がとくに面白くていいなと思いました。P64で「あたしには幸運な偶然が多かったのね。お勉強や本が好きだってことも、習ったことをすぐにおぼえられることも、偶然にすぎないわ」と言っていて、少女の時点で随分すごいことを悟っているなと感じました。子供とかがいたら是非とも読んでほしいと思うような名作でした。2024/12/24
はるき
27
文学的に有名で、色んな考察が出ていますが、何となく女性読者を敵に回しそうな性格設定のセーラ…。艱難辛苦を舐めながら清く正しいままで、最終的に何もかも取り戻す。ハッピーエンドなんですが、何か居心地が悪く感じるのは何故だろうか。2019/07/15
はる
20
図書館本。【勝手にせっせと岩波少年文庫を読む年】子どものころ抄訳や翻案やマンガで読んだことのある世界の名作、読み手の記憶は嘘八百だったりなかなか侮れなかったりする。ほかほかのパン、暖炉に燃える火、縁取りの毛皮…そして屋根裏に屋根を伝ってサルとターバン姿の印度人が!貰い物のえらくマイナーな雑誌で松尾美保子のマンガでこの物語りを読んだのは幻なのか、ハンサムなラム・ダスの顔が記憶ではくっきりと。(おとなになった今となっては気高い子どもに嫉妬する普通のおとなの気持ちもわからんでもない)2017/01/16
はるき
14
ハードな展開と大どんでん返しで胸のすくラスト。襤褸を着てても心は錦といいますが、やっぱり夢を見たい。100年前の作品だが、児童書に求めたい夢や希望や薫陶がたっぷり詰まっていた。想像力と高貴な心で人生を再び取り戻した。ロビンソン・クルーソー顔負けの冒険譚である。でも、最後の所がちょっと納得いかないかな。2015/03/08
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
11
12月予定の4・6年生のブックトーク授業【テーマ 冬休みに読んでみよう】用に選書。 『レモンの図書館』 https://bookmeter.com/books/12538632 のカリプソの読書案内で紹介されていた本 24/24 2019/11/03
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- 和書
- 元好問とその時代