内容説明
ここは野菜と果物たちの暮らす国。玉ねぎ坊やのチポリーノが、無実の罪で牢屋に入れられてしまったお父さんを救いだそうと大活躍。仲間たちと力をあわせて、わがままなレモン大公やトマト騎士に立ちむかいます。痛快な冒険物語。小学5・6年以上。
著者等紹介
ロダーリ,ジャンニ[ロダーリ,ジャンニ][Rodari,Gianni]
1920‐1980。イタリアを代表する児童文学者・詩人・教育者。イタリア北部に生まれる。小学校の教師になるが、第二次世界大戦中は、レジスタンス運動に参加。戦後、子ども向けの新聞や雑誌の編集にたずさわり、詩や物語を書くようになる。1951年に長編の物語『チポリーノの冒険』を発表。その後、『パパの電話を待ちながら』『空にうかんだ大きなケーキ』などが高く評価され、1970年には、国際アンデルセン賞の作家賞を受賞
関口英子[セキグチエイコ]
埼玉県生まれ。大阪外国語大学イタリア語学科卒業後、翻訳家として活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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たつや
45
タイトルを見て、私が子供の頃に見たテレビアニメ、「ピコリーノの冒険」を思いだし、てっきりピノキオの別バージョンかなと思い込んで読んだら、何と野菜や果実の世界の玉ねぎ坊やが主人公でした。お父さんを助けるためにレモンやトマトと戦う冒険物語、空はみんなのものというの台詞が大好きです。挿し絵も楽しく大好き。この絵のままアニメ化してほしい作品でした。時間を置いてまた読みたい。2017/01/20
ユメ
42
「おいらの生まれは玉ねぎ畑、陽気で元気で友だちいっぱい…」訳者あとがきにある通り、私も保育園で習った歌で玉ねぎの少年チポリーノの存在を知った内のひとり。まさか、あの歌の元となるこんな立派な冒険譚があったとは!20年越しの、チポリーノとの嬉しい再会となった。野菜と果物たちが暮らす国は愉快なキャラクターでいっぱい。元気はつらつとしたチポリーノが、次々に機転を利かせて波瀾万丈な冒険に挑んでいくのが痛快だ。童心に返ってハラハラドキドキ楽しむもよし、自由と平等を求める大人のための寓話として読むもよしな一冊だと思う。2017/01/04
えりか
40
玉ねぎ坊やチポリーノ。可愛いかった。挿し絵も可愛い。時々「君たちは、どう思うかな?」と読者(児童)に語りかけてて、そこらへんが子供を飽きさせない秘訣なのかなぁと。ロダーリ、やっぱり好きだなぁ。「想像力」と「笑い」と「皮肉」がうまい具合に融合していて、楽しい。「チポリーノの冒険」でも「ずっこけた登場人物の成功」が書かれていて、諦めることのない「服従の拒否」が世の中を進ませるということを伝えている。なんだか、楽しい気分になって、勇気が湧いてくる。やっぱり「ファンタジーの文法」も読みたいなぁ。2016/07/28
ふじ
26
宮崎駿氏のおすすめ本より。挿絵がアニメーターも羨むできだと。確かにアニメーターは活字を動く絵に落とし込む創造力がものをいう仕事、挿絵も同じ力が求められる。イキイキした絵に魅せられながら読了。ちなみに物語の内容は、動物農場の子ども向け的な、理不尽な支配に対するユーモアの効いた風刺です。クレバーなタマネギぼうやチポリーノが仲間を増やしながら大活躍。2021/09/23
シルク
17
挿絵を見たくて、手に取った本。と、言いますのも、宮崎駿監督が「めっちゃ絵の勉強になった」みたいな、熱くあつく語っていた本だったから。ぺらりと頁をめくると、な……るほど。絵がすごく良い。いくら見てても飽きない。絵のうまい子だと、模写してみようかなと思うのかもしれない。「線がイキイキしている」だの、そんな表現じゃあ、陳腐で追いつかない。じっと見てるとどの絵も、クスクス、笑いがこみ上げてくる。なんだか、腹の底から愉快になっちゃって。読み取るべきものをおおく孕んだ描線なもんで、それで、じーっと見入ってしまうんだ。2018/01/23