出版社内容情報
ショーウィンドウの中のおもちゃたちが一大決心。みんなでお祭りの前夜にお店をぬけだして、電気機関車をほしがっている、まずしいフランチェスコ少年の家へいくことにしたのです!
内容説明
年に一度、子どもたちがプレゼントを心まちにしている夜のこと。ショーウィンドーにならぶおもちゃたちは一大決心、みんなで青矢号にのりこみ、お店をぬけだします。めざすは、まずしいフランチェスコの家!ゆかいで感動的な大冒険。小学4・5年以上。
著者等紹介
ロダーリ,ジャンニ[ロダーリ,ジャンニ][Rodari,Gianni]
1920‐1980。イタリアを代表する児童文学者・詩人・教育者。イタリア北部に生まれる。小学校の教師になるが、第二次世界大戦中は、レジスタンス運動に参加。戦後、子ども向けの新聞や雑誌の編集にたずさわり、詩や物語を書くようになる。1970年には、国際アンデルセン賞の作家賞を受賞。子ども向けの物語だけでなく、『ファンタジーの文法』などの優れた論考でも知られている
関口英子[セキグチエイコ]
埼玉県生まれ。大阪外国語大学イタリア語学科卒業後、翻訳家として活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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はる
67
面白かった。良質の児童文学。毎日ショーウィンドウを覗きこむ貧しい少年フランチェスカ。おもちゃたちは彼のために青矢号に乗って店を抜け出します…。出版されたのは1954年のイタリア。まだ戦後の混乱が影を落とす時代で、貧しい子供たちがたくさんいました。「自転車泥棒」「靴みがき」といった古い映画の子供たちを思い出します。ラストは素敵にあたたかい。安易におもちゃが貰えてめでたしめでたし、ではないところがさすがロダーリ、巧いです。2018/11/15
たつや
60
面白い。イタリアではサンタではなく、ベファーナという魔女がプレゼントを配ってくれるという世界観。トイ・ストーリーを混ぜたようなお話ですが、夢があって癒されました。「チポリーノの冒険」と同一作者。青矢号という空飛ぶ列車に空飛ぶ帆船、おもちゃの兵隊、犬のコイン、子供が喜びそうなものがたくさん登場する。普通にアニメ化して欲しい。2017/05/31
NAO
56
子どもから手紙をもらっても親の予算に合わせておもちゃを配るベファーナは、現代的なサンタクロース。おもちゃがもらえない貧しい男の子のために、おもちゃたちが店を抜け出す。一緒に行くつもりで店を出てきたもののそれぞれ自分の居場所を見つけていくおもちゃたちの優しさに嬉しくなる。最後はちょっと意外な展開になったけれど、みんなにとって丁度いい終わり方となり、よかったよかった。2025/02/09
ユメ
43
イタリアでは、子どもたちにプレゼントを持って来るのはサンタクロースではなく、エピファニー(1月6日)にやって来るベファーナという魔女なのだそうだ。エピファニーの夜、ベファーナの店のおもちゃたちは、電気機関車青矢号に乗って、貧しい子どもフランチェスコにプレゼントを届けに行こうと大冒険をする。おもちゃたちとフランチェスコそれぞれに「馬に乗ったクジラが千頭、いちどにおしよせたみたい」な大団円が訪れて、幸福感で満たされた。「全ての子どもにベファーナの贈り物を」というロダーリの優しさと憤りが感じられる作品だ。2017/01/31
ぶんこ
41
戦後間もない貧しかったイタリアで出版された本。イタリアの子どもたちはクリスマスではなく1月6日のエピファニーというお祭りの日に、魔女のべファーナがプレゼントを配ってまわります。べファーナはきちんとお金を払った家にだけ配るので、貧しい家の子はプレゼント無し。フランチェスコも貧しい家の子。悲しむフランチェスコに共感したべファーナのお店のおもちゃたちは集団脱走をしてフランチェスコにプレゼントを届けに行きます。おもちゃたちの健気なこと。特にぬいぐるみの犬のコインとフランチェスコの愛情が微笑ましい。ステキな本。2018/12/26