出版社内容情報
パントゥフリア国の王子は多くの魔法の品や才能を授かる。王子は高慢な性格に育ったため、国中の人たちから嫌われた。
内容説明
りこうすぎたために、国中の人たちからきらわれていたプリジオ王子。ところが、ロザリンドと出会ったその日から王子は一変。火をふく竜ファイアードレイクを思いもよらない方法でやっつけます!すみずみまでゆかいなラングの創作童話。小学3・4年から。
著者等紹介
ラング,アンドリュー[ラング,アンドリュー]
1844‐1912。イギリスの北部スコットランドに生まれ、昔話や伝説をたくさん聞いて育つ。大学では古典を学び、30代で結婚しロンドンへ移り住む。文学者、民俗学者として活躍するが、その著作は、人類学、神話学、心理学、民間伝承、歴史、伝記など、幅広い分野にわたっている
福本友美子[フクモトユミコ]
1951年、東京都生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。公共図書館員の経験をいかして、子どもの本の翻訳、評論、読書活動の普及などで幅広く活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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keroppi
84
【オール・ハロウズ・イヴ(All Hallow's Eve)Fantasy読書会’21(10月1日~10月31日)】妖精にりこうすぎる王子にされたプリジオ王子。みんなから嫌われるが、恋が心を変える。竜退治やいろんな夢のアイテムが登場し、楽しいお話が展開する。ほんとに利口な人は、賢いことを自慢しないよね。2021/10/04
アナーキー靴下
61
短く軽快、様々なおとぎ話から集めたアイテムやエピソードも飛び出し、楽しく読める童話である。しかし王子の利口さとは何だったのか、ひたすら考えてしまう。ちょっと利口なら周りに合わせてうまく立ち回るだろうが、利口すぎた王子は、その必要が(少なくともある出会いまでは)まったくないことを知っていたのだろう。人の気持ちを考えない、と言われると酷い奴だが、空想を一切信じない現実主義な面を考慮すると、カミュの『異邦人』、ムルソーのような人間に思える。ムルソーは世間から追い出されたが、利口すぎた王子はさらりと出し抜く。2023/05/07
たつや
42
ファンタジーの童話ではあるけれど、読んだ子供たちに、こうすると人に嫌われるよという反面教師的な思惑が込められた作品のように思えました。2017/01/27
Roko
22
むかしむかしパントウフリアという国に、プリジオという王子さまがいました。とてもきれいな顔をしていたし、勉強熱心でとっても頭がよくて、普通なら「すてきな王子さま」になるはずなのですが、残念なことにそうではなかったのです。彼は誰かとちょっと話をしただけで「なんだ、そんなことも知らないのか」「あの本を読んでいないのですか」というようなことばかり言うのです。父親の王さまに対しても、理屈で言い負かしてしまうほどで、みんなから嫌われていました。2025/03/21
昭和っ子
22
意地悪な妖精に「りこうすぎる王子になれ!」と魔法をかけられた為に、美しく賢いのに、周りの誰もを感じ悪くやり込め、決して間違わず「だからそういわなかったけ?」というのが決めぜりふの嫌われ者に成長。でも彼はめげずに、他の妖精たちの贈り物である数々の魔法のアイテムを使って逆境をはね返し、愛する美女も見つけ、怪物も退治し、大団円。してみれば、ないがしろにされたのに有効なプレゼントをする他の妖精たちはいい人達だったのね。最後に、嫌われ者の夫を心配した妻の願いを聞き届ける王子の行動は、ずるいけどえらい!と私は思った。2016/08/06