内容説明
ガーネットは、ぐうぜん川で銀の指ぬきを見つけます。その日から、すてきなことや冒険でいっぱいの夏がはじまりました。森の中にある石灰炉に泊まったり、ヒッチハイクして家出をしたり…。農園の暮らしのみずみずしい描写が光る秀作。小学4・5年以上。
著者等紹介
エンライト,エリザベス[エンライト,エリザベス][Enright,Elizabeth]
1909‐68。アメリカのイリノイ州に生まれる。ニューヨークとパリで美術を学び、雑誌や子どもの本のさし絵画家となる。結婚後、物語の創作も始め、1938年に出版された『指ぬきの夏』はニューベリー賞を受賞した。子どもの心や自然を印象的に描き出す、数々の作品を残している
谷口由美子[タニグチユミコ]
山梨県生まれ。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はる
57
とても楽しかったです。思った以上に面白かった。1940年代のアメリカの田舎の風景が、主人公の少女ガーネットの目を通して美しく、魅力的に描かれます。お転婆で元気いっぱいのガーネットですが、田舎の自然や動物を愛し、家族を愛する優しい女の子。時々事件を起こすけれど、いつも最後はハッピーエンド。読んでいて温かな気持ちになります。エンライトの描く子供たちは本当に生き生きとしていますね。ガーネットの心の動きが瑞々しく、今読んでも全然古く感じない。「大草原の小さな家」が好きな方にはぜひ読んでほしい。2023/06/11
たつや
44
もしも、表紙の絵だけで選んでいたら絶対に読んでいないだろうなと思える本。それが、借りて読了していると言う不思議。指ぬきを拾ったことによって、不思議な出来事が起こるガーネットは青春真っ盛りでもあるし、おませでもある。多感な時期に読むと影響受けそうないい作品だなと思います。指ぬきが何か知らずに読みましたがそれでも、面白かったです。2017/01/04
ぶんこ
40
アメリカの農場での生活が活き活きと描かれていてガーネットと一緒に側転でどこまでも回っている感じでした。自然に翻弄される農場ですが、街暮らしでは味わえない伸びやかさがあります。ガーネットのおっちょこちょいで無鉄砲さから度々事件が起こりますが、後になってみれば楽しい思い出。指ぬきは日本の指ぬきを頭の描いて読んでいたので、カバー袖絵を見てもわかりませんでした。最後まで読んで訳者後書きで逆転された感じでビックリ!本好きなので図書館の冒険が好きです。2018/05/26
長くつしたのピッピ
9
良質の児童書。作者は、子どもの気持がとてもよく分かっていて、子どもなりの嫉妬や焦燥感、そして冒険心や思いやり。そのすべてが作品に込められていて、かつての子どもだった自分は懐かしい気持ちでいっぱいになった。終わってしまった子ども時代がたまらなくいとおしく感じる。子どもより、追体験で大人が読むと楽しい気持ちがよみがえってくる気がする。2015/08/20
ブラックティー
8
同じ作者の『土曜日はお楽しみ』が好きなので、こちらも手にとりました。輝かしい夏の農園の日常生活が、9歳の少女の目を通して語られます。とくに物語の終わり近くで描写される、農業博覧会の華やかで熱気溢れる様子は印象的でした。作者のエンライトは他にもいろいろな子供向けの作品を残しているようなので、邦訳をどんどん出してほしいものです。2012/07/10