内容説明
ふくろ小路一番地に住む、子だくさんのラッグルス一家の物語。長女がお客さんの洗濯物をちぢませてしまったり、ふたごの男の子たちが少年ギャングに入って冒険にのりだしたり、下町の家族はいつもゆかいな事件でにぎやかです。小学5・6年以上。
著者等紹介
ガーネット,イーヴ[ガーネット,イーヴ][Garnett,Eve]
1900‐91。イギリスの作家・画家。奨学金を得て、ロンドンのロイヤル・アカデミー(王立美術院)で学ぶが、病気のため、半ばで断念した。在学中に、さし絵の仕事をはじめる。『ふくろ小路一番地』は、子どもにふさわしくないとして8つの出版社から刊行をことわられたが、1937年に出版されると人気を博し、第2回カーネギー賞を受賞した
石井桃子[イシイモモコ]
1907‐2008。日本女子大学卒業。編集者・作家・翻訳家として、また児童図書館活動の草分けとして、戦後の児童文学界をリードしてきた。訳書多数、著書もあり(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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Willie the Wildcat
67
子どもたちの旺盛な好奇心を如何に育むか?1人1人の個性を活かす。長子から順番に・・・、焦げ、帽子、密航、後部座席、映画無賃鑑賞、挙句は盗難容疑?!個性、個性。(笑)転機は、ラッグルスさんの善意。新聞に掲載された写真に滲む皆の個性。特にラッグルスさんの表情は必見。迎えた荷馬車大会。子どもたちは、想定通りの大騒ぎ。救いは、常に場を和ますチャーリー叔父さんの歌。♪♪♪心配事はリュックに入れて♪♪♪なお、頭のコブにマーガリンとか、歯が生えるように犬のビスケットも試す?!いやいや、お国が違ってもないでしょう。(笑)2018/10/27
NAO
53
イギリスの児童文学に登場する子どもたちは裕福な家庭の子どもたちだったのだが、イーヴ・ガーネットが初めて町の子どもたちを描いた。そしてイギリスの貧民街の子どもたちというとディケンズの作品が頭に浮かぶが、彼らのイメージはかなり暗くいい印象ではない。だが、ガーネットの描く子どもたちは、底抜けに明るく前向きだ。イーヴ・ガーネットは仕事で下町のスケッチを描くため何度も下町に足を運んでいたという。そんなとき、彼女の周辺には、ラッグルズの子どもたちのような子どもたちが走り回っていたのかもしれない。2025/02/18
はる
52
下町で暮らす子だくさん一家の物語。イギリス児童文学の両親と言えば、父は頼りがいがあり、母は優しく物分かりがいい。でも、この物語では全く逆。父は頼りなく、母は短気で口が悪い。あまり品が良くないけれど、魅力的な家族の物語。イギリス児童文学で初めて労働者階級を描いた作品だとか。子どもたちが巻き起こす騒動はどれも楽しく痛快で、心温まる。石井桃子さんの、登場人物のセリフのくだけた訳が絶妙。2023/04/08
たつや
45
日本で言う、下町貧乏大家族物語のイギリス版。ただ、労働者階級や貧民層への差別などは感じないので出版を見送られたエピソードを読むと時代だなと思います。純粋に楽しめました。2017/02/25
ユメ
42
ふくろ小路一番地に住む子だくさんなラッグルス一家の物語。イギリスの児童文学によく出てくるナニーのいるような上流階級でなく、労働者階級の家族のお話だ。ラッグルスさんとおかみさんはいつもやりくりに頭を悩ませているが、一家揃って明るく騒がしく暮らしている。7人の子どもたちは赤ん坊まで含めて個性的で、それぞれ「思いつき」で事件を巻き起こすから「人生というものはわからない」ということになる。それが愉快に描かれているのがこの物語の素晴らしさだ。子どもたちの日常の延長線上に冒険があるということが生き生きと伝わってくる。2016/11/29
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