内容説明
バラ戦争を続行中の白バラ軍は、有名な工学博士を父にもつ5歳の少年、ラスムスの誘かい事件にまきこまれる。スパイ団のアジトの島へ連れさられたラスムスやエーヴァ・ロッタを救うため、カッレくんがまたまた大活躍。
著者等紹介
リンドグレーン,アストリッド[リンドグレーン,アストリッド][Lindgren,Astrid]
1907‐2002。スウェーデンのスモーランド地方に生まれる。1958年に国際アンデルセン賞を受賞。作家活動をしながら、長らく児童書の編集者としても活躍した
尾崎義[オザキヨシ]
1903‐69(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
50
1991年の第28刷。284p。 子どものころ「名探偵カッレくん」だけしか読まなかったので、これが2冊目。ふつう、子どもの探偵物語は、本当には危険な目に遭わないお約束なのかもしれないが、これはリアルに危ない。作者も安易には解決させないから、本当にハラハラする。あらゆる試みが退けられても、可能性を求める態度は、冒険という言葉の重みに決して負けていないだろう。2017/05/12
ほちょこ
34
カッレくん3部作最終巻。最後は探偵、というより冒険ものだったな。とはいうものの、スウェーデンの大自然と子供の無邪気さ、そして児童書ならではの「そりゃ偶然すぎーっ!」の奇想天外さで十分に楽しめたシリーズ。3冊というちょうどいいまとめ方でした。2018/08/27
はる
16
図書館本。【勝手にせっせと岩波少年文庫を読む年】まだまだリンドグレーン祭り。名探偵カッレくんも三冊目。無邪気に戦いを続ける白バラたちの夏休みもそろそろ終わりなのかも。月夜の城跡で落っこちかけたり、スパイ団!に取っつかまったり、(君たちの親が知ったら肝をつぶすよ)小悪党は改心するし、ちびっ子はやたらおしゃべりだ。良いなぁ、子ども時代の夏休み。この時代はどうも四十でじいさん、ばあさんらしい!嗚呼!2017/08/08
たぬ
13
☆3.5 2年ぶりに読むカッレくんシリーズ3作目兼最終作。なんだかんだでカッレくんピンチにはなってないよね。アンデスとエーヴァ・ロッタは下手したら落命しかねない場面ががあるけど。てっきり赤バラ団が助っ人に来るかと思ったらニッケに全部持ってかれた。人さらいだけど子供好きなニッケが裏主人公だった。5歳児を御するのは難しい。そのピュアさをうまく生かさないと最悪の結果にも転ぶ。2024/06/10
けむりの猿c((•ω•))ɔ
10
再読。前二作に比べてカッレの名探偵ぶりはあまり発揮されていない。幼いラスムスに対するカッレ、アンデスの面倒くさそうな態度と、女の子のエーヴァ・ロッタの母性に満ちたお母さんな態度の違いの書き分けが面白い。カッレが自宅の食料品店に一旦戻り、張り込みに必要な物資を調達して、包み紙をひきちぎった紙に書き残して行くシーン。昔、品書きのページをワクワクしながら読んだのを思い出した。燻製ハム、1つ50ヨーレの板チョコ、固形アルコール。今改めて読むと、持ち出した品物を使用する場面がもっと描かれていたら良いのにと感じた。2020/10/03