出版社内容情報
幼い少年ネロと老犬パトラッシュの深い友情を描いた名作.ほかに,美しい年代物のストーブを愛するあまり,そのストーブの中にかくれて旅をすることになった少年の物語「ニュルンベルクのストーブ」.
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たつや
58
借りた帰り道はアニメの「ランランラー」の主題歌をエンドレスで歌って陽気でしたが、読んだらもうダメ、最後、号泣した。いい作品です。同時収録の「ニュルンベルクのストーブ」はハッピーエンドの良いお話でしたが、作者の生涯が最後哀しく、空しくなりました。2016/12/08
NAO
57
「フランダースの犬」は、ネロの純真さと大人の身勝手さが互いに際だって、悲しくも美しい話になっている。今回読んで、パトラッシュの境遇を初めて知った。「ニュルンベルクのストーブ」の主人公アウグストの家もとても貧しい。だが、この家にはニュルンベルクの名陶工が作ったストーブがあり、芸術家になりたいアウグストの心の支えになっている。そのストーブを父が売ってしまい、アウグストはある決意をする。実在の芸術家に、ストーブを買ったババリア王はどうやらルードヴィヒ2世。2025/02/11
井月 奎(いづき けい)
41
ネロとパトラッシュを人々の誤解と思い込みが、臆病さと狡さが少しずつ二人を苦しみの影に導きます。誤解を解くことも、ネロの画家になりたいと言う希望もわずかのずれで叶うことはなくクリスマスの夜に二人は天に召されます。私はこの物語をハッピーエンドだと思いたいのです。この上なく悲しいハッピーエンド。ネロは命をかけても見たいと思っていたルーベンスの絵を一瞬、月光によって見ることがかないます。ネロの心にそれは永遠であり、そして二人は分かつことなく抱き合い天に召されるのです。そのお互いの温もりもまた永遠なのです。2017/01/13
りょちみ
16
昔アニメで放送していましたがリアルタイムで見たことがなく、原作だけでも読みたいと思って図書館で借りました。中身は「フランダースの犬」と「ニュルンベルクのストーブ」の二編。アニメでは最後にルーベンスの絵を見ながら死んでゆくシーンだけが際立っていてその過程を忘れていましたが、それまでのネロの普段の生活もとても貧しいもので、読んでいると少し辛くなってしまいました。そして悲しいままのバッドエンド。せめて安らかにと祈るのみ。ニュルンベルクのストーブは初読み作品。こちらも貧しい生活ですがストーブがよりどころとなり、2019/11/22
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
15
12月予定の4・6年生のブックトーク授業【テーマ 冬休みに読んでみよう】用に選書。アニメを知っている子も数人いるようです。犬のパトラッシュの飼い主をフランダースだと思っている子が数年前にいたので、ベルギーのフランダース地方が舞台だと知らせなくてはなりません。2019/11/05