出版社内容情報
表題作を初め,心を打つ名作の数々を残してわずか30歳で世を去った新美南吉.ほかに「おじいさんのランプ」「花のき村の盗人たち」「いぼ」「てぶくろを買いに」など12編.〔解説・鳥越信〕
内容説明
心を打つ名作の数々を残してわずか30歳で世を去った新美南吉。貧しい兵十とキツネのごんとのふれあいを描いた有名な「ごんぎつね」、ほかに「おじいさんのランプ」「花のき村の盗人たち」「和太郎さんと牛」「てぶくろを買いに」など12編。小学4・5年以上。
著者等紹介
新美南吉[ニイミナンキチ]
1913‐1943。愛知県生まれ。4歳のときに母が亡くなり、母の実家の養子になる。父も再婚・離婚・復縁をくり返すなど、家庭環境は複雑だった。からだも虚弱で、中学に入ると同時に文学に熱中。雑誌への投稿や同人誌での発表を重ねた。「赤い鳥」に童謡が掲載され、与田凖一や巽聖歌と知り合う。1932年、東京外国語学校に入学。20代後半の5年間は女学校の教師をしながら、人間味ゆたかな名作の数々を生みだしつづけた。結核で死去
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たつや
56
読む度に違う発見が出きる。読んだときの読み手の心情にもよるのでしょうか?深く良心的作品集です2017/05/05
シュシュ
27
『ごんぎつね』『てぶくろ買いに』のイメージと全く違った話が多くて驚いた。面白かった。ユーモアがあり、明るくて、登場人物はちょっぴり悲しい思いをするのだが、希望を感じさせる結末のものが多かった。自然の描写や心理描写もよかった。少年が主人公である『いぼ』のような物語を教科書に載せたらいいのにと思う。『鳥エ門諸国をめぐる』にはとても深いものを感じた。新美南吉のイメージが変わった。宮澤賢治と並んで日本を代表する児童文学作家だといわれるのが納得できた。 2017/09/15
たつや
24
無性に読みたくなり、手にしました。どれもハズレのないよい短編集です。ごんぎつね、手袋を買いにはあまりにも有名ですが、花ノ木村と牛を繋いだ椿の木も感動必至です。初見の短編もあり新美南吉の良さを再確認できました。2016/07/03
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
14
『 花のき村と盗人たち / おじいさんのランプ / 牛をつないだつばきの木 / 百姓の足、坊さんの足 / 和太郎さんと牛 / ごんぎつね / てぶくろを買いに / きつね / うた時計 / いぼ / 屁 / 鳥右エ門諸国をめぐる 』2022/07/04
つき
10
29歳と7ヶ月という作者の短い生涯の間に、移り変わる時代の様子が作品にも反映されている。解説にもあるように、ひとつの作品の中に2つの要素が取り入れられており、柔らかな語り口であるけれど、内面を抉られる感じがする。特に「屁」と「鳥右エ門諸国をめぐる」は読んでいると苦しくなってくる。鳥右エ門諸国をめぐるは、何度も読んで考えていきたい作品。2016/12/11