出版社内容情報
ミシシッピ川沿いの小さな村を舞台に,わんぱくな少年トムが浮浪児ハックを相棒に大活躍するゆかいな冒険物語.因習にとらわれがちな大人たちの思惑をよそに,自然の中で自由にのびのびと生きる子どもたちを描く少年文学の名作.
内容説明
ピクニックの途中、トムは仲よしの女の子ベッキーと二人で、奥深いまっくらな洞穴で迷子になり、三日三晩とじこめられてしまいます…。自然の中で生きる子どもたちの夢と冒険を描き、世界中の人々から愛されてきた少年文学の傑作。小学5・6年以上。
著者等紹介
トウェイン,マーク[トウェイン,マーク][Twain,Mark]
1835‐1910。アメリカの作家。本名サミュエル・ラングホーン・クレメンズ。ミシシッピ河畔で少年時代を過ごした。12歳で父を失い、印刷工となって方々を渡り歩き、やがてミシシッピ川の水先案内人となる。南北戦争に2週間ほど従軍した後、1862年に新聞記者になり、文筆の道に進む。晩年には、事業に失敗し、家族をつぎつぎに失って、作品にも悲観的な人間観が色濃く見られるようになる
石井桃子[イシイモモコ]
1907年生まれ。日本女子大学卒業。編集者・作家・翻訳家として、また児童図書館活動の草分けとして、戦後の児童文学界をリードしてきた
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
セウテス
58
〔再読〕後半に入り、物語は殺人事件を目撃する事から巻き込まれる、現実的恐怖を感じる展開となる。いたずらだ、好奇心だというレベルの物語ではない。正義の心と不安の葛藤、迷い込んだ洞窟での無頼漢ジョーとの息詰まるハラハラの展開は、児童向けの話では味わえない処だ。しかしトム・ソーヤーの男の子たるところが、壁塗りで生きる事は重荷である様に感じるのに、この絶体絶命で心が折れないのだ。驚く事に本作の物語は、全て作者トウェインか彼の学友が、実際に経験した出来事を描いている事である。好奇心を忘れた大人にこそ、読んで欲しい。2018/01/04
くみ
19
【第118回海外作品読書会】今回読んでみて一番変わったのはポリーおばさんのイメージ。ただ厳しいと思ってたけど、そればかりではなかった。保護者としての責任感とトムへの愛情のせめぎ合いが心に残りました。特にトムの手紙を迷った上読んで喜ぶシーンはすごく好きです。そして変装したインディアンジョーをハックが追跡、トムとベッキーの洞窟での迷子、生還後に金を見つけにいくトムとハックなど最後まで目が離せませんでした。「冒険」って本当に冒険だなー!最後終わってしまうのがすごく寂しかったです。2018/09/30
とんこ
15
子供の頃はインジャンジョーが恐ろしく、でもその凄惨な最期にすごく心を揺さぶられた。大人になってから読むと、人種差別が当たり前のこの時代(ジョー自身黒人を馬鹿にしてるし)混血のジョーの生い立ちもつらかったんだろうな…とか余計に色々考えてしまう。とはいえお話はとても明るく大団円。何回読んでも面白い。2023/02/10
そのじつ
13
上巻では悪たれボウズぶりを発揮してきたトムの地金が見えるエピソードが目白押し。ナイトの称号にふさわしいほどの活躍ぶり。相棒ハックもしかり。それにしてもお話の面白さはやはり抜群で、急転直下の絶体絶命シーンなんて2度目でも本当にドキドキして読める。語りのうまさも天下一品だ。巻末についている石井さんの解説で、トウェインの一生にもふれられて、満足度の高い再読になった。初版時の挿絵も掲載されており、少年のみならず大人の期待にも十分応える作りになっている。最後のトムとハックの対話が好きだ。どちらの言い分にも頷ける。2015/05/17
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
11
12月予定の4・6年生のブックトーク授業【テーマ 冬休みに読んでみよう】用に選書。完訳なのでこちらを選書。両親を亡くし弟とおばさんの家で暮らすトムが、親友で宿無しのハックを相棒に繰り広げる冒険。アメリカミシシッピ川のほとり、トムは家を抜け出し無人島で野宿したり、いたずらばかり、そのくせかわいいベッキーの気を惹こうとするなどやんちゃです。ある日殺人事件を目撃し、ベッキーと洞窟探検した時犯人と遭遇。犯人の死後洞窟に隠していた金貨を発見します…。2019/11/03