出版社内容情報
人間がネギを食べるようになったわけは? ネコとイヌがけんかするのはなぜ? 動物と人間がくりひろげるのどかな世界を描き,素朴な夢と笑いとかなしみにみちた朝鮮の民話33編を収める.
内容説明
人間はどうしてネギを食べるようになったのか?ネコとイヌがけんかするのはなぜ?おばあさんは悪いトラをどうやって追いはらったか―動物と人間がくりひろげるのどかな世界が語られる朝鮮の民話33編。小学4・5年以上。
著者等紹介
金素雲[キムソウン]
1908‐1981。韓国の釜山に生まれる。1歳の時に父を失い、母とも幼いころに別れる。少年時代から晩年にいたる間、たびたび日本に滞在した。朝鮮の口伝民謡の採集・紹介に情熱を傾け、1929年に出版した日本語訳『朝鮮民謡集』は、北原白秋の絶賛を受けた。その後、1933年には、岩波文庫で『朝鮮童謡選』『朝鮮民謡選』を刊行
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
モリー
74
もし、朝鮮民話選という副題や編者名、挿絵の民族衣装を見ずに読み進めたら、(日本の)どの県の民話だろうかと思うお話もいくつかありました。生まれた国は違えども「韓国に生まれた人たちの、古いこころのすがた」に共感しました。お隣の国でありながら、「こころのへだてはではフランスやドイツよりも遠いというのはさびしいことです。」と編者がおっしゃいます。先日、私の職場に来たお客様で、脈絡もなく韓国人の悪口を言い出しす方がいて驚きました。そんな方にこそ読んでほしい本です。もちろん、韓流に憧れる若い世代にも。2021/09/05
たつや
53
失礼な話ですが「朝鮮の民話」と聞いただけで、何故か見下すような気持ちでいた自分がいましたが、読んでみたら、なんのことはない。日本昔話と大差なく、34編のお話は落ちのないもの短いもの長いもの、動物や虫が主人公のものや人間のお話、いろいろバラエティーに飛び、楽しめました。特に、表題作と「カボチャの種」が好きです。2017/01/06
たつや
46
前回読んだあと、余韻が残り、また読みたくなった。やはり面白い。落語で演じられそうな話も多く、息抜きにも読める。2017/04/12
みや
30
口伝えで継がれてきた朝鮮の民話を33編収録。編者の金素雲は沢知恵さんの祖父で、沢さんが詩を日本語に訳して曲を付けた歌もあり、ずっと読んでみたかった。全く同じ話は勿論無いが、どれも日本の昔話やお伽噺と似た雰囲気を持っている。この作品集では、動物に纏わる話が多かった。お互いが牛に見えるために人間をうっかり間違えて食べてしまう人間たちが登場する表題作や、袋に溜められた物語が持ち主に復讐する「物語のふくろ」は、独特な設定で特に面白かった。コントのような「三人のバカよめ」「おくやみ」「おむこさんの買いもの」も好き。2017/04/10
むつこ
20
どこの国にも昔話(民話)がある当たり前のことを忘れていた。隣の国の話なのに知らないことばかり。大人たちが若い人たちに伝えたい心は国が違っても同じような気がした。子供を寝かしつけるのにちょうどよい昔話の数々。特に表題名になった「ネギをうえた人」の話は好き。2014/11/16