岩波少年文庫<br> 肥後の石工

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岩波少年文庫
肥後の石工

  • 今西 祐行【作】
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  • サイズ B6判/ページ数 256p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784001140781
  • NDC分類 K913
  • Cコード C8393

出版社内容情報

熊本の緑川に美しいアーチ型の霊台橋が築かれたのは,さむらいの時代が終わりをつげようとしていたころ.そこには,命をかけて弟子たちを育てた職人・岩永三五郎の物語がかくされていた.

内容説明

九州地方には、江戸時代末期に石だけでつくられた、美しいアーチ型のめがね橋が数多くある。その石橋づくりには、つらい過去とたたかいながらも、命をかけて弟子たちを育てた名職人・岩永三五郎の物語がかくされていた。小学5・6年以上。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

はる

64
思いのほか読み応えがあった。江戸時代末期、石だけで作られた5つの美しいめがね橋。だが、これを作った石工たちは秘密を守るために国境で切り捨てられてしまう。ただ一人生き残った三五郎は…。厳格な身分制度のある時代。些細なことで武家に命を奪われる市井の人たち。それでも必死に生きていく人たちの、様々なドラマ。僅かな資料からこれだけの物語を作り出す作者の技量が凄い。骨太の児童書。 2021/04/18

tomoko

38
江戸時代に実在した肥後の石工、岩永三五郎を主人公とした物語。石だけで造られたアーチ型の眼鏡橋‥その技術は素晴らしい。さらに、城に敵が攻めてきた時のために、石を1つ抜くと崩れる橋なんて凄すぎる。物語では、藩の秘密を知った石工たちを「永送り」といって抹殺したとあるが、これは本当にあったかどうかは定かではないようだ。子供の売り買いの場面は「山椒太夫」を思い出した。三五郎の技術は弟子たちに伝承され、東京の二重橋や日本橋などに生かされたとのこと。この先の未来にも繋いでいってほしい。2020/09/11

花林糖

24
(図書館本)実在した肥後の石工職人、岩永三五郎を主人公にした時代小説。純粋に石橋を作る物語だと思っていたら全く違った。三五郎の哀しく辛い物語だけれど、面白くて一気読み。乞食姉弟のその後が知りたかった。2016/06/13

おはなし会 芽ぶっく 

18
戦国時代から江戸時代にかけて、石を積み上げて城や橋を造る技術は進化していった。職人が名人と言われるまでの話ですが、実は職人たちは秘密を守るため殺されていたらしい。名人と言われる職人は生き残った人だというのが衝撃でした。 『司書と先生がつくる学校図書館』より6年生向け。2020/02/24

ネジとサビ

15
ずっと気になっていた学校図書館本。児童書だが、大人でも読み応え充分!映画化されて欲しい~! 実在の人物と空想の人物とが混ざり合ってはいるものの、歴史に絡めた物語が印象深く描かれ、江戸末期の肥後や薩摩のこともすんなり頭に入ってくる。石工の技にも心打たれ、現存する橋も絶対見に行きたい! そこに三五郎や宇吉の名を見つけたら興奮して震えるだろうなぁ~。歴史好き、物作りや算数の好きな子にも。いや~良い本に出合えて嬉しい!2021/08/14

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