岩波少年文庫<br> 真夜中のパーティー

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岩波少年文庫
真夜中のパーティー

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  • サイズ B6判/ページ数 224p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784001140422
  • Cコード C8397

出版社内容情報

子どもの日常生活におきる,小さいけれど忘れがたい不思議なできごとの数々.『トムは真夜中の庭で』の作者による,夢と現実の世界を行き来する印象的な短篇8編をおさめる.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

さつき

77
子供達の何げない日常を描いた短編集。嬉しさにも悲しさにもまだ慣れていないせいか、子供の感情は鮮烈でいつまでも忘れられないものなのかもしれない。自分自身の小さな思い出も胸に迫るようによみがえってきました。子供であった時にいかに寄るべない気分だったか、その心許なさを思い出すと寒々しくなります。同時に、あんな風に胸をドキドキさせ喜び怖がり驚き不思議がることはもう出来ないだろうとも。2021/10/26

たつや

42
「トムは真夜中の庭で」の作者の8編の短編集。ファンタジーではなく、トムソーヤ的なイギリスの昔の田舎の子供たちの日常が描かれていて、牧歌的な雰囲気に心癒されました。個人的には「アヒルもぐり」が一番好きでしたが、どの作品も味わいがある雰囲気が好きです。2017/01/18

ほりん

34
子どもはただ無邪気で愛らしいだけの存在ではない。大人が見ていない原っぱや川や、真夜中の台所で、いろいろなことを経験しながら大きくなっていく。中には、いけないことや、危険すれすれのこともある。でもそんな経験から生きていく力を蓄えていくんだろう。思えば自分だって色んことをしてきたのに、自分の子どもには、本当に注意深く、危険なことをさせないようにしてきた。最近、いろいろな壁にぶつかって苦労している子どもたちに、申し訳ない気持ちになりながら、すでに親の出る幕ではない今、見守ることしかできない。2019/02/21

Mizhology

29
2冊目のピアス。登場人物がそれぞれリアルでいい。愛らしい。じーんとくるあたたかさと、しみじみとした懐かしさがあり、すっかりファンになりました。男の子と老人の良さを描くのが本当に上手いと思う。大人の勝手さも。心理描写がリアルで、大げさ過ぎず繊細。『よごれディック』等は、本当に子どもが語ってる錯覚を覚えた。風景描写も含め、子どもの頃を思い出す。ウチの近所では自然は失われてるし、他の意味でも大人の管理の目が行き届くようになっている。今の子ども達は、体ごとの心の大冒険ができているのだろうか?などと心配にもなった。2019/10/18

じょうこ

18
ピアスの『幽霊を見た10の話』が「魂・精神」をテーマとした短編集だとすると、こちらの短編集は「身体・冒険」がテーマ。子どもたちが繰り広げる8編の冒険バラエティだ。隣家に忍び込む、老いた巨木を倒す、池の底まで潜る、隣家の小さい女の子を連れて川の上流に向かって歩く‥等。そんな中で、表題作「真夜中のパーティ」は、唯一、自宅の中で起こる冒険で、可愛らしく微笑ましい。が、この短編は「耳」で読むのがおもしろい。真夜中の蝿の羽音や犬の鼾、鍋のじいじいいう音から、朝の末っ子のおしゃべりまで。「音」のショートフィルムだ。2021/09/30

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