出版社内容情報
つややかな美しい毛なみをもつ黒馬が,生まれ育った牧場やなつかしい母親のもとを離れて,広い世の中でさまざまな体験をします.人生の喜びと悲しみ,愛と真実を綴った感動的な物語.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
112
女性の動物に向ける視線は寄り添うように優しい。馬の立場になって彼らのつらさや幸せを考えていて、それを他の人にも理解してもらいたいと言う気持ちに溢れている。ピーターラビットだってそうだ。飼い主によって運命が二転三転する犬の生涯を描いたジャックロンドンの「野生の呼び声」とは全くアプローチが違う。どちらも好きだけれど。私は、子供の頃からサーカスが嫌いだった。動物がかわいそうで見ていられなくて。同じ理由で動物園もあまり好きでない。馬が自由に走り回れるところはイギリスにはまだたくさんあるのだろうか。2016/05/15
扉のこちら側
77
2017年171冊め。【290/G1000】先に要約版を読んでいたのでおおむねの内容は知っていたが、きちんと本編を読んでよかったと思う。馬による一人称で語られる物語は、子ども向けの甘い物語だけではなく、人間の都合により理不尽に扱われる動物の悲哀も溢れている。苦しみを長引かせるよりは、と安楽死についても否定的ではなく、その内容とともに歴史的・文化的面からも考えさせられることは多い。 2017/02/20
seacalf
51
シュウエルが生涯でただ一冊だけ書いたこの物語はたちまちベストセラーとなり、英国では広く読まれているそうだ。辻馬車、自家用馬車、荷馬車、乗り合い馬車等、馬が大活躍していた時代のお話。馬視点で語られるのが新鮮で目から鱗の連続。ちょっとした気遣いのあるなしで力一杯元気に働けたり、病気や怪我をしたりデリケートだなあと思いつつ、それは何も馬に限ったことではないとはたと気付く。今はあまり読まれなくなった埋もれた名作に当たるととても嬉しい。当時の息吹きもふんだんに感じられ、優しい目線で馬を見て触れたくなる素敵な物語。2019/10/20
oldman獺祭魚翁
50
図書館 この物語は再読です。これを初めて読んだのは小学校高学年のころでした。これを読んだことは僕の馬への憧れを強く刺激し、読んでから20年後に、乗馬への道を開いてくれました。馬と対話できたらどんなに素晴らしいでしょう。この本は元々児童文学として書かれたものではありませんが、少しでも多くの子ども達に手にとって貰い、馬と言う生き物が、人の良き友人であることを知って欲しいと思います。2020/12/21
NAO
49
名馬の血を引くブラック・ビューティーの生涯を描いた、『アンクル・トムの小屋』の動物版ともいわれている物語。 幸福な子ども時代から裕福な家庭で穏やかな暮らしののち、過酷な馬車馬時代と、飼い主によってブラック・ビューティーの扱われ方が大きく変化する。何一つ口ごたえできない馬だからこそ、主人の態度次第で状況が大きく変わってしまう。だからこそ、人間性が大きく問われることになる。2025/06/26
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