出版社内容情報
子どものいない夫婦のもとに,ツバメによってさずけられたふしぎな少女,孟姜女.成長した孟姜女は,労役にとられた夫に会うために,北のはての〈万里の長城〉まで,千里を歩く旅にでます.そこで目にしたのは,自分と同じように苦しむ人々のすがたでした…….中国で長く語りつがれてきた民話が美しい絵本になりました.
著者等紹介
唐亜明[トウアメイ]
1953年北京生まれ。1983年に来日。出版社勤務のかたわら、エッセイスト、翻訳者、絵本作家として活躍。絵本に『ナージャとりゅうおう』(講談社、第22回講談社出版文化賞絵本賞)、『西遊記』(偕成社、第42回産経児童出版文化賞)など
蔡皋[サイコウ]
1946年湖南省長沙生まれ。農村での教職を経て、湖南少年児童出版社に勤務。中国美術家協会会員。主な作品に『荒園狐精』(浙江少年児童出版社、第14回BIB金のりんご賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yomineko@ヴィタリにゃん
58
万里の長城建設に伴う庶民の苦労はいかほどであっただろうか。隣人同士仲が良い2人の所に燕が舞い込み、ひょうたんの種を落とす。ひょうたんの中から出て来たのは桃太郎ではなく美しい女の子👸やがて万里の長城建設で苦労する若者と出会う。水墨画の様な素朴な絵が余計に胸を打つ。行った事のある万里の長城だが、、、当時の苦労が偲ばれる。2022/08/06
Smileえっちゃん
45
中國の民話。図書館本。このお話は読んだことがある気がします。語り継がれてきた民話。山奥の小さな村に住む仲の良い夫婦。夫が万里の長城の防壁づくり連れ出される。3度目の秋が来たとき、何の連絡もない夫を探す旅に出る。冬が来て春、夏、秋が過ぎ・・・どれだけの時が過ぎたか、やっとたどり着いた時には・・・世界遺産の万里の長城、これだけの膨大な城壁を作るのに、強制労働でどれだけの犠牲があったか、家族の涙が流されたのか…これは語り継いでいってほしいです。落ち着いた色彩の絵が素敵でした。2023/08/24
たまきら
36
スーホの白い馬をはじめ、権力と庶民を対比させるお話が好きです。このお話はどのぐらい本当のことからきているのかな…と読みながら思いました。絵がとても素敵です。読み友さんの感想から。2021/09/03
みさどん
21
宇宙から見ることができる只一つの人工物、万里の長城。これを造るには多大な犠牲を払わせただろう、民衆に。農民の命などやっぱり道具同然だったのだ。こんな語り伝えがあるのも頷ける。不思議の中に産まれたものは、不思議な運命を辿るのだな。2019/02/16
紅花
16
中国とかモンゴルあたりのお話には、こう言う深い悲しみを伴う民話が多くあるのかと思った。ひょうたんから子供、河が2つに割れるなど、民話や聖書ので聞いた場面もあり、何となく世界は繋がっていると思った。勧善懲悪のお話が多い中、こういう民話も子供たちの興味を惹くようだ。2016/04/09