出版社内容情報
あかんぼうを入れるふくろがついているカンガルー,魚か鳥かわからないカモノハシ,色あざやかな砂漠の花……オーストラリア大陸にくらすユニークな生きものたちについて,先住民族が語り伝えてきた物語10話.アボリジナル絵画が全編をいろどり,アボリジナルの人びとや,動植物についての解説も収録します.
内容説明
オーストラリア先住民アボリジナルがかたりつたえてきたものがたり10話。
著者等紹介
マーシャル,ジェームズ・ヴァンス[マーシャル,ジェームズヴァンス][Marshall,James Vance]
ロンドンに生まれる。多作の児童文学作家で、海外でも多くの読者を得ている。もっとも名高い作品、『美しき冒険旅行』は、オーストラリアの砂漠で迷子になったふたりの子どもとアボリジナルの少年の話で、映画化され大ヒットした
ファイアブレイス,フランシス[ファイアブレイス,フランシス][Firebrace,Francis]
ヨータ・ヨータ部族出身。アボリジナル絵画の伝統である岩絵具で絵を描き、登場者たちがいまにもおどりだし、うたいだしそうなその絵は大人気となる。アボリジナルの文化を世界に広める活動をしている
百々佑利子[モモユリコ]
児童文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
pino
74
文字を持たないアボリジナルが、口づたえで語りついできた10話。人間や動物は従兄であり、大地は聖地で神からの贈り物なので、敬い、大切にしなければいけない。との信念を持って生きてきた人々の崇高な魂を感じました。お話には、オーストラリアの個性的な動物や自然が多く登場します。また、アボリジナルの伝統的なイラストが興味をひきます。人々への教訓であったり、生や死が扱われていますが、優しく、美しい内容です。そんな人々が搾取された歴史は悲しい事実です。赤い大地には彼らのしなやかな精神が躍動し、空には蝶が虹をかけています。2012/08/29
たまきら
32
オーストラリアの原住民による物語です。表題だけでなく、様々なお話が入っていて、高学年向けかなあ。ウルル=エアーズロックのお話が最も印象深かった。2020/06/30
gtn
25
アボリジナルの伝承ですべてが説明できる。なぜ長い川や高い山があるのか、なぜカンガルーやキノボルガエルが特異な姿態を持ちながら生き永らえているのか。すべて、「虹色の大ヘビ」という名の宇宙の働きが創造したからである。だから、それら万物を痛めつけたら、新しい世界を創らねばならず、そのときお前たちは居場所がないと、大ヘビは人類に釘を刺す。現代人はその予言に気付いているか。2021/06/11
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
13
オーストラリアの先住民アボリジナル(アボリジニの方が馴染みがありますが、彼らはこう呼ばれることを望んでいます)の口承昔話10編。オーストラリアに住む珍しい動物や植物について、おはなしの後に解説が書かれています。その解説が面白い。実際に見てみたくなります。巻末にアボリジナルの文化(ことばの解説・記号)もあり、じっくり読ませていただきました。『虹色の大ヘビが大地をつくったはなし』『カンガルーには、なぜふくろがあるのか』『カエルは、なぜぐわっぐわっとなくだけか』『ブロルガは、なぜおどるのか』→2019/09/11
Midori Matsuoka
8
表紙に惹かれて借りた絵本。絵本といっても10編からなるアボリジナルの物語はなかなかの読みで。 どれもオーストラリアの自然の始まりや動物たちの始まり、なぜこのような姿かたちをしているのか、が昔話に盛り込まれている。 ギリシャ神話などにもみられる成り立ちを物語にしたものはけっこう好き。独特のタッチの挿し絵も魅力的。2021/12/16
-
- 洋書
- TOTEMS