出版社内容情報
ミセス.タッカーは快適な老人ホームを脱出し,自由な生活を楽しもうと山奥の開拓小屋にやってきた.小屋に昔から住んでいて人間をきらう小人ニムビンと,おばあさんとの知恵くらべがはじまる.
内容説明
ライトソンの最新作。小動物や昆虫たちを意のままに動かす太古の精霊ニムビンとタッカーおばあさんが、開拓小屋の所有権をめぐって対決―オーストラリア原住民の伝説をふまえた異色作。’86年度国際アンデルセン賞決定。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ワッピー
23
養老院を脱走したミセス・タッカーが新居に定めた開拓小屋には先住者がいた・・・。犬とニワトリを飼うミセス・タッカーに対し、ニワトリ小屋を占拠した地霊小人ニムビンは武器をふるってニワトリを追い出す。両者の小競り合いは次第にエスカレートして全面戦争へ遷移。小さいが故に直接攻撃に出られないニムビンは、知恵を絞って家の中に刺客を送り込み続けるが、万策つきてついに最終兵器を繰り出す!生存競争ですから、どちらに非があるとはいえないものの、最後の虫の竜巻は恐怖です。夏のオーストラリアに行くときには、虫、特にハエにご注意。2019/06/13
ムーミン2号
6
タイトルからは女性と精霊のファンタジーっぽい作品なのか? と思って読み始めると、見事に裏切られる。人間とは比較にならない太古から地の霊としてその土地に住み続けるニムビンと、80歳を超えたミセス・タッカーが争うことになるのだが、結局太古からの精霊の前には人間は膝を屈するしかないのか? 最後はミセス・タッカーが何かを仕掛けそうなのだが、そのことは書かれていない。オーストラリアに昔から住むアボリジナルに伝わる精霊を物語化したP・ライトソンには国際アンデルセン賞が与えられている。ちょっと掴みどころがなかったなぁ。2018/02/21
るき
3
オーストラリアが舞台。あくまでも自立していたいミセス・タッカーは老人ホームを抜け出して兄が遺してくれた家に住むことに。しかし、先住者である太古の精霊ニムビンと場所争いすることになってしまいました。結局、親切心で鉄砲を撃った子どものせいで完全敵対関係になってしまい撤退することになってしまうのですが、ちゃっかり娘さんに街での一人暮らしを認めさせるあたり、日本じゃありえない設定だなぁと現在読んでも思う。このええ~っ感が海外小説を読むときの醍醐味ともいえますね。2017/12/25
joyjoy
1
老人ホームから家出したミセス・タッカー。自立心充分だが、精霊ニムビンのひどいいたずらのせいで、自分が呆けてるのでは?という不安も。「ミセス・タッカー、がんばって!」と応援したくなった。 オーストラリアの自然の風景を思い描くのは難しかったが、各章はじめのアボリジナルアートらしき絵がかわいかった。2020/08/12
モリ
0
う~ん、どうなんでしょうね。これは。個人的にはいまいちすっきりはしないのですが。2015/02/03