出版社内容情報
10歳の少女ケートといっしょに暮している祖母のところに,ある日ふしぎな手紙が届き,教会の墓地からは父の墓石がこつ然と消えた.家族はみな口をつぐんで語りたがらない.ケートがつきとめた真相とは?
内容説明
ある日、こつ然と父の墓石が消え、10歳の少女ケートは父の死に不審をいだいた。サティン入江で知った真相とは?…ミステリー・タッチで描く人生の真実。ピアスの最新作
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
NAO
70
【祝ー生誕100年フィリパ・ピアスを読む】児童書とは思えないような、複雑な家庭環境。子どもだから何も知らなくていい、に反発した作者の考え方は分かる。でも、設定があまりにも複雑で、子どもの心理はそれなりに変えていると思うけれど、いろんな立場の大人たちの心理描写があまりにも中途半端だと思った。それは、児童書だから? だとしたら、やっぱり無理をしてこんな設定にすることなどないと思う。2019/02/25
へくとぱすかる
18
1/4まで読んだところで、ようやく「事件」は起こる。そしてケートの家族に秘められた謎が少しずつ現れ始める。10歳の少女が主人公である理由がわかって、物語の見事さに思わずため息が出るような作品。じっくりと読んで家族のドラマを味わいたい。完全なハッピーエンドではないのが、またリアルである。ミステリとして、最後まで読み通して良かった。2014/01/16
はる
15
図書館本。「きみはまだほんの子どもだ。話してもわかるまい」「だけど、話さなきゃいけないわ。どうしても」子どもはいつまで子どもなんだろう?いつおとなになるのだろう?「なにかあったからといって、途中でやめるわけにはいかないんだよ」年齢を重ねてから読んで良かった!2016/08/01
joyjoy
12
「おばあちゃんは巌だわ」。この一文に「やられた!」と感じた。ここにたどりつくための物語だったのか! 子どもの頃に読んでいたとしたら、ミステリーとしては楽しんでも、どこまでケートや他の登場人物たちに感情移入できたか分からない。が、きっと、「おばあちゃんは巌だわ」という一節だけは、ずっと心に残る気がする。ケート自身のなかにもゆるぎない何かが生まれた瞬間だ。訳者あとがきでは「さなぎが蝶に形を変えて飛び立っていくように、彼女がこころの年輪を大きく刻んで、あたらしい人生に立ち向かってゆく明日の姿を思わせ」る、と。 2023/01/15
ayame@児童文学感想中心
11
図書館本。物語の序盤はなかなかサティン入江のなぞに触れられず。中盤くらいから、どんな展開になるのか分からず読むスピードがあがった。自転車を必死でこいで、みずから"なぞ"と向き合うケート。周りの人たちを思いやり、自分の言動を抑えられて、決断力のある彼女は、私よりよっぽど大人なんじゃないかしら、と思った。『巌』のようにどっしりとして、何もかも受け止めた上で揺るぎない愛情をもてるナンおばあちゃんが好き。2017/06/10
-
- 和書
- 動画で学ぶ美文字字典