出版社内容情報
世界中のどんな宝よりも大切なものを見つけたシンドバッド.波瀾万丈な航海の物語,いよいよクライマックスに.千一夜物語絵本『シンドバッドの冒険』『シンドバッドと怪物の島』に続く完結編.
内容説明
偉大なる王者ハールーン・アル・ラシードが、イスラムの国ぐにの支配者であった時代、バグダッドの都に、おなじ名前を持ちながら、身の上は正反対な二人の男がおりました。船乗りシンドバッドは大金持ちの商人で、宮殿のような屋敷に住んでいました。荷かつぎのシンドバッドは、人にこき使われている貧しい男でした。そんな二人が運命の導きによって出会い、それから何日ものあいだ、荷かつぎシンドバッドは、船乗りシンドバッドの数かずの冒険の物語に、耳をかたむけることになりました。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
80
船乗りのシンドバッドが語り継ぐ冒険譚の最終章。インド洋からアジア、セイロンを経て、いよいよ故郷のバクダッドを目指すのですが、嵐で船は難破し、拾われた船で奴隷にされてしまいます。象牙を狩る下働きを強いられる中、シンドバッドは不幸な踊り子に恋をします。孤軍奮闘する彼に思わぬ救世主が♪ そして、最高の宝物が手に手の届くところに近づいてきました。彼の旅の航路は、いにしえのアラビア人が海を渡って世界に名を轟かせた軌跡そのものなのだそうです。2015/05/25
鱒子
63
図書館本。3部作最終巻です。シンドバッドは最後に最高の宝を手に入れます。ーー実はモンテクリスト伯を読んで以来「船乗りシンドバッド」という名前と物語がずっと気になっていました。今回読んだのは絵本ですが、物語の片鱗に触れられて満足です。オリエンタルな味わいの美しい絵本でした。2019/02/02
ヒラP@ehon.gohon
33
前の二作品が、突拍子もない冒険物語だったのですが、完結編は人間シンドバッドの優しさエピソードでした。 巻頭の地図に日本が描かれていて、現実感も湧いてきました。 二人のシンドバッドが登場する物語、絵本にするために簡潔にまとめられているのでしょうから、詳細を読んでみたいと思います。2021/04/07
モリー
17
再読。子供達が小さい頃に読み聞かせした本。図書館で目に付き、懐かしく思い、借りてきた。一人でじっくり、美しい絵と文章を堪能した。翻訳者の力量によるところも大きいのかな。脇明子さんの訳は本当にいいですね。2018/07/16
紅花
14
子供たちのお気に入りシリーズ最後。始めに「宝の中の宝をお目にかけましょう」言う言葉からは始まる3冊目。「宝」は何なのか、期待十分。2冊目ほどありえない冒険度は低いけど、今度は人の心に迫るお話。「最高の宝物」とは、金銀財宝では無かった!シリーズ全てとにかく面白くて、アラビアンナイトもう一度読み直したいと思う。ルドミラ・ゼーマンさんの「ギルガメシュ」「シンドバット」両方ともとても楽しく読みました。これでおしまいなのが残念。2015/05/10