出版社内容情報
片足の少年アルフレッドは,偶然手に入れた馬具を同名の人に渡せとのお告げを受け,ウェシクス王の弟アルフレッドを訪ねる.イングランド統一を実現するアルフレッド王の知恵と勇気を,少年の目で描く.
内容説明
イングランド統一を実現するアルフレッド王の知恵と勇気を少年の目で描く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たねひ
11
アルフレッド王は、まだイングランドという統一国家ができる前のアングロサクソンの王で、その頃度々ブリテン島に侵入していたヴァイキング(デーン人)と戦って勝利をおさめた人。子ども向けの本だけど時代背景や当時の人々の迷信深い様子なども臨場感のある描写でしっかりと説明されていて、今まで馴染みのなかった時代について知ることができた。イングランドこそ海賊のイメージが強かったので、ろくに戦闘用の船も持たず海賊にやられっぱなしなのが不思議な感じがする。最後の海戦の場面は本当に海のうねりが感じられるようで迫力があった。2019/10/11
rbyawa
2
初めてイングランドの統一をした、という王の四男にしてヴァイキングを退けたアルフレッド王を扱った児童書で。児童書の割りに、ずいぶん読み応えがあったというか、面白かった。が、舞台がどうも把握しにくいというか(個人個人の関係については全く問題なし)(多分、ヴァイキングとか当時の王国とか、イギリスの子どもは知ってるんだと思う)、他の国々が陥される中、一旦勝利を収めるまで。片足のアルフレッドの「目的」を最後に知ってちょっと感動。2009/11/01
ソルト佐藤
1
アルフレッド王の事跡を追うだけではなく、少年のアルフレッドの視点とすることによって、彼自身の成長物語になっている。児童物なので無駄な色恋がなくってすきりとした展開(笑 そして、ここに書かれるアルフレッド王は万能の英雄ではなく、賢く現実的で寛容だが、持病持ちで、実行できる作戦もほとんどない状況。(相手の補給線を伸ばすという、なんという地味な作戦(笑 でも、効果的)ライバルのグスルムも一癖あり良い。グスルムとアルフレッド王の戦いは、孔明の七縦七擒となるのが暗示されている。続編も楽しみなところ。2012/09/11