出版社内容情報
デイヴィッドとキースは,ある日,不思議な物音とともに地面が割れ,そこから一人の少年が現れるのを目撃した.その少年は,奇妙な方言を話す200年前の人間だった.アーサー王の伝説をまじえた物語.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ワッピー
32
子どものころから気になっていたものの「英国児童文学の舞台を訪ねて」の紹介でようやく手に取りました。ある日キースとデイヴィットは荒野で太鼓を叩く不思議な少年に出合う。それを機に不思議な現象が頻発し、町は大混乱に。ふたりはその地の伝説が幾重にも重なり合った事件を追いかけるうちに危機に陥る・・・。消えないろうそくを軸に、動物に起きた異変や悪さをする家霊も登場。英国北部丘陵地帯を舞台にした伝説に基づく怪事件、しかも日常生活を浸食するあんなことやこんなことをごく自然にさらっと描いているところはメインの本領発揮かも。2023/04/09
ムーミン2号
6
キースとデイヴィッドという二人の生徒(中学生くらい?)が地の底から聞こえる音を聞きつけ、やがて地下から出現する少年鼓手(ネリー・ジャック・ジョン)を何とか助けようとしながら、ついには逆にその地下へと誘い込まれていく、というストーリーが展開される(超ザックリな粗筋)。ラストはちゃんと地下から戻って来れるのだが、アーサー王と現代の二人の少年が交錯するダイナミックな物語で、摩訶不思議さが物語の中にきれいに溶け込んでいる。2019/10/28
topo
4
消えない蝋燭が見せる物は幻か現実か。200年前から来た少年が残した謎の蝋燭がきっかけで現代の少年たちが不思議な体験をする物語。幻想的な最終部が秀逸。蝋燭の炎にゆらめく騎士の姿、夜道に響く馬の足音が聞こえるよう。 本作は、しかるべき時に蘇るというアーサー王の伝説を下敷きにした作品。 過去と現在が通じる描写、いにしえの巨人や家付き妖精などファンタジー好きとしては嬉しい内容もりもり。 きりっとした雰囲気と幻想的な世界観の融合が素敵だった。2021/07/23
のん@絵本童話専門
1
摩訶不思議な物語。現代にいるはずのない200年前の少年、そしてアーサー王に出会う少年。地下に入り込むと浦島太郎のように時の進み方がおかしくなる。アーサー王もだし、ケルトのストーンヘンジなどイギリスの神話的な要素がちらほら。高学年・中学〜2025/05/19