出版社内容情報
近世になると,都会の夜は明るくなりました.淀川べりのナタネ畑から始まって,農作業と油しぼり,油を運ぶきびしい船の旅,江戸の夜の活発な仕事と華やかな娯楽のようすを精密に描きだします.
内容説明
近世になると、都会の夜は明るくなりました。淀川べりのナタネ畑から始まって、農作業と油絞り、油を運ぶきびしい船の旅、江戸の夜の活発な仕事と華やかな娯楽の様子を精密に描きだします。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
♪みどりpiyopiyo♪
60
淀川べりの田、今の大阪の市街地。江戸のあかりの話は、稲を刈り取った後のこの場面からはじまります… ■この絵本むちゃむちゃ面白かった☆ 江戸時代の農工商業〜運送業〜家内制手工業や華々しい娯楽産業、事務に営業、役所や帳場、そして人々の日常のあかりまで様々なことが分かります。■春の風物詩 一面の菜の花畑って、近世にあかりが普及したからこその景色だったのね。浮世絵に描かれた 近海を行く沢山の船の背景も実感できますし、人の流れも分かります。■時代小説がお好きな人にもお薦めです。面白いから読んでみて✩⡱(1990年)2019/09/29
天の川
46
再読。内容の濃さもさることながら、今回は一ノ関圭の挿絵に注目。見開きページに大きく描かれた一枚一枚が凄い。農作業、菜種油を絞る作業場、菱垣廻船の内部、漆黒の海の向こうの灯台。江戸で売りさばかれた菜種油の灯は、旅籠、縁日、遊郭、歌舞伎小屋、富裕な商家、そして貧しい長屋それぞれを照らす。その光はそれぞれに質感が違い、そこに生きる人々を浮かび上がらせる。子ども向けではないけれど、良い絵本だと思う。企画の途中でシリーズが終わっているのが残念。2021/09/02
とよぽん
28
1990年第1刷。「歴史を旅する絵本シリーズ」の一つ。大阪の淀川の流域で菜花を栽培し、ナタネ油を搾取するところから始まる物語。船で江戸に運び、都市の生活に灯りとして使われる。ナタネ油を作る作業、運搬する作業の苦労を、一ノ関圭さんの絵が巧みに表現している。江戸の人々の表情も生き生きと描かれている。かなり参考文献に当たって書かれた文のようで、縄文時代から日本の光源の歴史をまとめた一覧表まで巻末にある。さすが、「歴史を旅する絵本」と銘打った知の絵本だ。そして、電気エネルギーのありがたさに感慨深く読了。2019/09/30
たまきら
23
素晴らしい絵本です。とにかく美しい色に感動しながら読みました。寒い中夜なべする母親と熟睡する子供たちの絵に涙が…2016/07/11
Rie【顔姫 ξ(✿ ❛‿❛)ξ】
20
昔の灯について、想像が膨らみ歴史の勉強にもなるとてもよい絵本。2020/07/11