出版社内容情報
こけももをつみに山へ行ったサリーは,お母さんとはぐれて迷子になってしまいました.一方,クマの親子もこの山にきていて,夢中でこけももを食べていました.サリーの思いがけない体験を描きます.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
338
文も絵もロバート・マックロスキー。人の母子と熊との接近遭遇のお話。互いに干渉しあわないので平和裏にコトは終わるが。絵は全ページが黒いインクのモノトーンの強い線で描かれる。スタイルはかなり徹底したリアリズムの描法。それは、熊の親子それぞれの歩き方などに顕著に発揮されている。また、見開きからそうだが、これまた全ページにわたってアメリカンなムードに溢れる。とりわけ身近な自然と一体になったアメリカの田舎(もしくは郊外)生活の楽しみを伝えてくれる。2023/07/22
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
135
冬のためのごちそう・こけももを摘みに山へやって来たサリーとお母さん。バケツに入れると♪ポリン・ポルン・ポロン♪と楽しい音がします。ところが冬の準備に忙しい大人とは違って、食べるのに熱心なサリーは別行動をする事に。でも、山のおやつを食べに来たのはサリー達だけではありませんでした……。人間と動物がお互いの領分を尊重し合いながら、自然の恵みをシェアする様子はとてもハッピー。コルデコット賞に2度輝いたロバート・マックロスキー氏が単色で描いた絵本。初出は1948年。日本語版は1986年初版。翻訳は石井桃子さんです。2016/06/12
ぶち
101
星野道夫さんは『旅をする木』で、この絵本についてふれています。アラスカでは ブルーベリー摘みにゆく人に "クマと頭を鉢合わせするなよ!" と声をかけるそうです。 この物語は、そんな逸話のとおり、山へこけももを積みにいったサリーと母さん、同時に冬眠のためにこけももを食べにきていた小グマと母グマの親子。その子供同士が入れ替わっってしまったというお話しです。あり得ないようなお話しですが、星野さんのエピソードを読んだ後では、ものすごいリアリティがあります。アメリカの心豊かな暮らしと大自然が感じられる絵本です。2019/07/05
紫 綺
86
人間の親子、熊の親子の描写が面白い。線画で色が無いのが、逆にいい味を出している。こけももがとても美味しそう、食べてみたいな♪2013/09/14
Willie the Wildcat
84
次男と久しぶりに再読。人間と熊の親子が入れ替わった(!?)ところが面白かったとのこと。そうだよねぇ。親子の愛情は人間であれ、熊であれ同じ。2組の親子が”再会”と”山を下る”シーンはいつ見ても、いいですね。親子の愛情と共に、自然との共生も感じる。また子供と再読するでしょうね。2012/04/08