出版社内容情報
ライオンが狩りの途中で会った動物たちは,歯や爪をぬかれたり,木にしばりつけられたりして苦しんでいました.人間の仕業でした.怒ったライオンはネズミの助けを借りて人間をやっつけようと…
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
10
イソップで知られるおはなしですが、エジプトの学者が象形文字のテキストから訳した再話だそうです。とても細かく書かれていて、絵も古代の絵をもとにしているそうです。2022/06/30
遠い日
10
古代エジプトの物語。イソップ物語でよく知られた話だが、この話には人間の業みたいな「悪」が明確に描かれていることが、特徴的だ。ライオンとねずみに芽生えた信頼は、タッグを組むことで、人間の知恵やしわざを退けられることを知ったからか。リーセ・マニケの絵のエジプトっぽいタッチが印象的。2018/08/15
なま
8
★3.8 原文は「デモティック(象形文字の草書体のようなもの)」という書体で、パピルスに書き付けられたのは紀元前200年頃、物語の筋としては更に千年前からあったのでは?と語られる。イソップやラ・フォンティーヌの語った『ライオンとねずみ』よりも古く、女神ネフネトと父、太陽神レーのケンカをなだめる為に書記の神トトが話したエジプト物語。イソップには無い人間の悪さやずるがしさ、動物たちへの人間のひどい行いが強調されている。その中で小さな命の大切さ、仲間と手を組むことで乗り越えられる問題等に気づかせてくれる。8分。2023/02/17
紅生姜
3
絵が古代エジプトそのもので、エジプトの世界観をたっぷり楽しみました。人間が悪業の限りを尽くして動物を苦しめる様子が、これでもかと出てくるのが、なんとなく古代エジプトっぽいなと思いました。自戒をこめて読みました。それにしてもライオンが、スフィンクスみたいで、娘らにとっては初めて知る世界でした。2016/01/28
ヒラP@ehon.gohon
0
イソップ物語の『ライオンとねずみ』と似て非なる世界でした。 パピルスに書き記された古代文字で描かれたのは、なんと人間の悪さに苦しむ動物たちの姿。 ライオンとねずみの逸話は、メインテーマではありません。 古代人の武勇伝ではなく、動物たちの側から物語を語るという書き方が、不思議な感じがしました。 ライオンとねずみの逸話は、イソップ物語と共通していますが、あっさりと描かれていて、寓話としての要素には欠けています。 ただ書き連ねた物語ではありますが、絵といいお話といいエジプトの神秘的な色彩はとても強い絵本でした。2014/01/20