出版社内容情報
朝サリーが目をさますと,歯が1本ぬけかかっていて,気がかりでたまりません…….すばらしい大自然と一体になって小さい島で暮す,幼い姉妹のいる一家のおおらかな生活をゆったりと描きます.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
51
島で暮らす親子の日常を描く絵本。ボートに乗って街に出かける日、サリーの心はグラグラする歯でいっぱいだった。大人の歯に変わるという不思議な気持ち。抜けた歯を枕の下に入れると願いが叶うと言われて〈チョコレートアイスクリーム〉を夢みていたのに、お父さんの手伝いをしているうちに歯が落ちてしまってがっかり……。その代わりにあるものを拾って街に向かう。良いことあるかな。旅と共に生きたマックロスキーの絵本はゆったりした気持ちになる。1978年7月初版。オリジナルは1952年出版。単色のノスタルジックな雰囲気が魅力的。2016/06/19
♪みどりpiyopiyo♪
43
遠い海べの穏やかな日常を垣間見るような絵本を読みました。春の海のお楽しみといえば、そう あれ ✩⡱ ■小さな姉妹と、お父さんとお母さん。人里離れた静かな海べの暮らし。サリーが 初めての体験に喜びでいっぱいな様子が微笑ましくて。妹にもいっそうお姉さんらしく振る舞ったりね。■成長を大きな喜びで受け止められるのって、ほんと素敵 ✩⡱ 周りの大人たちに見守られて、ゆっくりすくすく大きくなってね (◍′◡‵◍)♡ (1952年)(→続2020/04/07
gtn
36
大人から見れば他愛のないことでも、子供にとっては大事件。父はそれをしっかりと受け止めてくれた。その温かさは、サリーの胸の内に生涯残る。2021/01/08
ゆうゆうpanda
32
水色と青の取り合わせが美しい表紙。デザイン的で短い文の絵本かと予想したが、中身は全く違う印象だった。木炭のようなもの単色で描いた力強い絵。頭の中にある古き良きアメリカ人のイメージの顔。寧ろ新鮮だった。今日は対岸の町へボートに乗って買い出しにいく日。でも朝から乳歯がぐらぐらして…ほとんど日常の風景。でも少女にとっては特別な一日。その平和な中のウキウキ感が丁寧に語られる。石井桃子さんの格調高い訳のお陰もあるかも。小さいうちからこういう文章に馴染んでいると、児童文学から自然に大人向けの本に移行できると思った。2015/12/13
kiisuke
30
言わずと知れたマックロスキーの素晴らしい絵本(*´︶`*)濃紺一色で描かれたリアルで美しい絵と石井桃子さんの訳が調和した懐かしい味わいの一冊。子どもの頃の夏の思い出が鮮やかに、細やかに蘇ってくるようです。海岸で過ごす何気ない日常を通じて、子どもらしい気持ちの動きが生き生きと描かれています。読んであげるのには結構長めでしたがすぐに『もう一回読んで!』と言われました。2015/05/29