出版社内容情報
朝サリーが目をさますと,歯が1本ぬけかかっていて,気がかりでたまりません…….すばらしい大自然と一体になって小さい島で暮す,幼い姉妹のいる一家のおおらかな生活をゆったりと描きます.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
245
ロバート・マックロスキー作。アメリカン・ファミリーの半日を描く。頼りになるダディといつも優しいマミー、そして2人の娘たち(8歳と2歳くらい)。この日は、朝からダディが浜辺でハマグリ採りに。その後はダディがサリー(長女)とジェイ(次女)を伴ってボートでバックス・ハーバーへ。その間の主な話題はサリーの乳歯が1本抜けたこと。自然は豊かで、ハーバーの人たちも穏やかで親切。絵はモノクロームの木炭画で、リアリズムに徹している。1952年の刊行だが、ここにあるのはまさに古き良きアメリカ。郷愁漂う絵本である。2025/03/07
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
53
島で暮らす親子の日常を描く絵本。ボートに乗って街に出かける日、サリーの心はグラグラする歯でいっぱいだった。大人の歯に変わるという不思議な気持ち。抜けた歯を枕の下に入れると願いが叶うと言われて〈チョコレートアイスクリーム〉を夢みていたのに、お父さんの手伝いをしているうちに歯が落ちてしまってがっかり……。その代わりにあるものを拾って街に向かう。良いことあるかな。旅と共に生きたマックロスキーの絵本はゆったりした気持ちになる。1978年7月初版。オリジナルは1952年出版。単色のノスタルジックな雰囲気が魅力的。2016/06/19
♪みどりpiyopiyo♪
45
遠い海べの穏やかな日常を垣間見るような絵本を読みました。春の海のお楽しみといえば、そう あれ ✩⡱ ■小さな姉妹と、お父さんとお母さん。人里離れた静かな海べの暮らし。サリーが 初めての体験に喜びでいっぱいな様子が微笑ましくて。妹にもいっそうお姉さんらしく振る舞ったりね。■成長を大きな喜びで受け止められるのって、ほんと素敵 ✩⡱ 周りの大人たちに見守られて、ゆっくりすくすく大きくなってね (◍′◡‵◍)♡ (1952年)(→続2020/04/07
seacalf
43
自然豊かな環境で、のどかな印象を与えてくれる場面ばかりで読むだけで和まされ、随所に古き良きアメリカを垣間見られる大型絵本。朝から歯がぐらぐらするという大きなトピックを抱えたサリーは、ミサゴやアビ、アザラシなど動物たちに当たり前のように語りかける。もちろん、お母さんにもお父さんにもコンドンさんやバックス・ハーバーの人達にも。作者のマックロスキーは一年の大半をメイン州の無人島で過ごしていたらしく、その影響がこの作品と『サリーのこけももつみ』にもよく表されているという。そちらも読んでみたいな。2025/03/28
gtn
39
大人から見れば他愛のないことでも、子供にとっては大事件。父はそれをしっかりと受け止めてくれた。その温かさは、サリーの胸の内に生涯残る。2021/01/08