出版社内容情報
この本に収めた「くじゃくひめ」「天地のはじめ」「九人のきょうだい」など6編は,主に中国の少数民族が語りつたえた物語です.雄大で,ストーリーの変化に富み,西欧の民話とは趣きの異なる楽しさです.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
後藤 仁(GOTO JIN)
39
この民話集は君島久子先生の名作中の名作と言っても良いでしょう。15歳の時に読んだ私の大好きな作品、宮崎 駿氏の『シュナの旅』(後にスタジオジブリのアニメ映画「ゲド戦記」の原案になる)。その原話が、この中の「犬になった王子」だと知ったのは近年です。君島先生の再話で私 後藤 仁の作画による絵本『犬になった王子(チベットの民話)』が、2013年11月15日に岩波書店から出版されます。ぜひ、ご覧下さいます様お願い申し上げます。 日本画家・絵本画家 後藤 仁2013/08/06
ツキノ
20
1964年7月発行。岩波書店のロングセラー。函入りの本は私が子どもの頃は各社で出ていたものの、ほとんどがカバーだけになってしまった。その意味でも貴重だし、昔話、民話のひきつけられる力といったら!赤羽末吉の絵と墨×黄色の配色も効いている。文化の面でまっさきに力を入れた仕事が地方にまつわる民話を集めることだったという。1949年頃の中国の話。(E292)2021/12/06
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
19
教育出版国語 5年生 【平成27年度教科書掲載本 令和2年度教科書掲載本】 『 九人のきょうだい(イ族) / 犬になった王子(チベット族) / 天地のはじめ(プーラン族)―巨人グミヤーの話― / ねこ先生と、とらのおでし(漢族) / くじゃくひめ(タイ族) / 白いりゅう黒いりゅう(パイ族) 』 『司書と先生がつくる学校図書館』より4年生向け。2015/06/19
gollum
19
表題作と『犬になった王子』,『くじゃくひめ』がロマンとスペクタクル。中国は漢民族がブイブイ言わしているが、多くの少数民族に伝わる伝承・民話はもっともっと豊饒であるに違いない。小学校低学年時代に読んでよく覚えているのは『九人のきょうだい』、単純だけど痛快な話。『天地のはじめ』で巨人グミヤーが九つの太陽と十個の月を弓で射落とそうとする話は、中国神話の羿と嫦娥の話を思わせるが、どっちが起源なんだろうなあ~、と悩みだすと、東洋文庫あたりで中国少数民族の民話をおさらいしてみたくなる今日この頃。2015/08/16
kochi
18
「犬になった王子」プラ国のアチョ王子は、穀物の種を入手するという国家プロジェクトのリーダーとして、「絶対に、絶対に、諦めない」不屈の精神で数々の困難に打ち勝ち、ボーナスステージもクリアか!?ここから『シュナの旅』を作り上げた巨匠の想像力に驚嘆。更に、各民話から伝わってくる、世界の起源や由来をあくまでも説明し理解しょうする我々のご先祖の執念にも驚嘆。2012/03/31
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