出版社内容情報
第二次世界大戦後,世界平和のために国際会議が開かれますが,少しも成果があがりません.それを見て怒った動物たちは,自分たちで会議を開こうと決心します.子どもたちの未来を祈るケストナーの絵本.
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
119
最近ロシアのウクライナへの侵攻が始まってからこの本が結構読まれているようです。大判とこの小さな本があるのですがとりあえずこの本で読んでみました。ケストナーの人間に対する皮肉なかんじがよくあらわれているのでしょう。人間は会議ばかりしているが何も決まらないということで動物たちが会議を行い要求を人間に突きつけます。私は文章で読むよりもこの絵を見ていてほんわかした感じを受けました。2022/07/14
たつや
64
色彩豊かでかわいい絵の絵本ですが、文章多目なので、大人も楽しめます、ある日動物たちが会議を行い、全世界の子供たちを人里離れた滅びた町に集めます。世界中は大騒ぎ、動物たちは、銃や爆弾を廃棄すること、国境をなくすこと、戦争もなくすことなどを条件に、各国の偉いさんに、遂にサインさせるという壮大で皮肉一杯の快作でした。これをあの、気違いヒトラーがいた時代によくかいたなあと、感心しました。さすがケストナー。2017/01/30
スプーン
56
人間社会への皮肉に満ちた粋な童話。ケストナーの児童文学はハズレが無い。2023/01/10
ヒラP@ehon.gohon
30
久々にこの本を再読して、笑えない大人たちの愚かさを再認識しました。 ある国のために、国際会議はことごとくその意義と役割を失いつつあります。 繰り返される戦争、領土問題、環境保全の協力体制、等々等々。 ケストナーのシニカルなこの作品は、世界中の子どもたちのことを考えろと、動物たちが結束するために会議を開こうとするお話です。 「世界中の子どもたちのために」というフレーズが心に響きました。 間違いなく、今の世界は子どもたちを巻き添えにして、犠牲にする構造になっています。 2022/09/09
空猫
29
図書館で目があったので手に取ったら、ケストナーの絵本で。大戦の五年後。「こどもたちの(平和)ために」ノアの方舟よろしく世界中から動物が集まって会議が開かれる、と言う。絵本と言っても結構なボリュームで、高学年からかな。ユーモラスに描かれてはいるが、内容はとても重い。ともかくこの条約が調印され守られる日が来ることを切に願うばかり。2024/10/04