出版社内容情報
ユーモラスな絵,きびきびとした文章で,フェアプレーの精神と,自分が大ぜいの人といっしょに生きているのだということを,わかりやすく教えます.笑いのうちに,民主主義とはなにか考えさせる絵本.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のっち♬
120
色々な職業の人たちに支えられている人間の世界の成り立ちを、規則や法律の必要性にはじまり選挙制度や納税など民主主義の骨格を端的かつ明晰な筋立ての元に説明した絵本。作者は元々は教育者・編集者で、プロにウケたことから自ら絵を描くようになったとのこと。丸い顔や胴体に棒線のような手脚がつく一見落書きのようなデザインは強烈なインパクト。巻末を占領した十人の困った人たちを眺めていると、昨今の政治腐敗や行き過ぎた個人主義や自己欺瞞の看過がいかに住みづらい世を作っているか、子供よりも大人の方こそ身に染みるのではなかろうか。2024/02/07
♪みどりpiyopiyo♪
34
『はなのすきなうし』の作者さん♪ 長閑な絵と短い文で自分と世界の関わりや仕組みを分かりやすく教えてくれる絵本です。■色んな人が暮らす世界は、みんなのために規則や法律があり、それを決める選挙があり、世の中のために助け合う。我儘だと何が困るか、とか。■1939年(日本は未だ帝国主義だった時代)アメリカの民主主義はここまで成熟してたんだ☆ 現代の人権意識で読むとまだまだ配慮が足りない面もあるけれど、その時代に子供に向けてこの本が出版されたって事が人類の宝のように感じます ( ' ᵕ ' ) (1939年)(→続2018/06/04
gtn
25
「十人のこまった人たち」の一人に、誰のいうことにも賛成しない者を挙げる著者。何でも反対するが対案はなく、他の人の邪魔になるだけで何の役にも立たないと手厳しい。確かに与党の揚げ足取りに血道を上げるばかりで、何の役にも立っていない。2020/01/17
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
18
政治や税金などの話がわかりやすく、社会について考える絵本。私たちの世界はまだまだいいとは言えないので、大人になったらみんなでいい世界をつくりましょう、という言葉で本文は終わりますが、巻末に「こまった人たち」の10人のリストがあり、「こんな人たちとは、いっしょに"みんなの世界"を きずいていくことはできません」とバッサリ言い切られてます。「こまった人たち」はコメントに。2020/04/24
みさどん
16
子ども向けに、わがままだと何が困るかとか、法律や税金や政治家について語られる。出だしに反して難しくなっていくので、子どもに読むにはコンディションを選ぶ。要チェック。個性尊重と和を成すって微妙。郵便システムの話はもはや過去のこと。時代にそぐわないことはどんどん増えていくのだろうと、寂しいような怖いような。2018/03/30