出版社内容情報
1677年、没後に友人たちが編纂した『遺稿集』で初めて公刊されたスピノザの主著。幾何学的証明の形式で定義と公理から諸定理の証明を展開する本著作は、至福の認識をめざす倫理学(エチカ)の書でありながら、その全体がひとつの哲学体系を提示する。翻訳においては、2010年にヴァチカン図書館の異端審問資料庫で発見された写本を可能な限り尊重した。
内容説明
ヴァチカン異端審問資料庫で発見された『エチカ』写本、フランスで刊行中の新全集などを踏まえ、世界のスピノザ研究の最前線に立つ完全版全集、待望の刊行開始。
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- 評価
本屋のカガヤの本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
∃.狂茶党
13
スピノザは、神というものを、キリスト教の概念から遠ざけるような定義をつけつつ、神というものを信じ切ってるようである。 本書は、そのあたりに『神学政治論』よりもっと踏み込んでいる。 それだけに、論理的な神の肖像、絶対的領域には、無信仰者として違和感を覚えてしまう。 ならば、人格的神など想定する必要はないのではないか。 愛のシステム。 そういうものを定義づける手続きは厳密に感じられるが、神という言葉が、どうにも引っかかる。 この神は、旧約・新約の神であると、スピノザは考えていたのだろうか。 2023/01/31
KJ
4
最高だった。読んでいる間に「事物が語る」のと「自身もその一部である」ことを精神の眼で観たような心地。読む前と読んだ後で、「及ぶ限り」ではあれど確実に認識のモードが変わったなと思える/定義・公理・定理以外にも序文や備考が多く、存在論より情念論や倫理学パートの方が長く、思っていたよりはキャッチーだった/酷薄なオプティミズムという感じでこれは影響力があって然るべきだと実感/知性は鍛えられるものという素朴さや、人間以外の事物は人間に役立つ限りで用いてよいという人間中心的な要素を感じるのは時代柄だろうか2025/01/15
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