内容説明
痛烈な権力批判、奇想天外なユーモア、あふれる情感―古代ギリシアの笑い声が聞こえてくる。シェイクスピア、モリエールらの遙かな先蹤をなす最古の喜劇世界が、最新の研究成果に基づき甦る。
目次
笑いの系譜
アリストパネースとその時代
メナンドロスとその時代
ギリシア喜劇のはじまり
ギリシア喜劇の上演形式
ギリシア喜劇の韻律と構造
壷絵で見るギリシア喜劇
ギリシア喜劇とジェンダー―服装倒錯・言語・類型的描出をめぐって
ギリシア喜劇とローマ喜劇
アリストパネースの喜劇と狂言
ギリシア喜劇年表
1 ~ 1件/全1件
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黒井ヴィンセント本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はる
8
11人の研究者による喜劇を多角的に検討した小論。悲劇も喜劇も上演としての意味を考えるなら、アテナイの一体性を求めるところにあったのだろう。その要求に応えることのできた作家が多く出現し、観客の心を拐う脚本と舞台作りに凌ぎを削ったが別巻の総括。アリストパネスを生んだ時代、メナンドロスを生んだ背景からローマ喜劇様式に継承されたローマ時代背景や政体などが紹介されている。ギリシア喜劇後押ししたものが民主主義で、日本の狂言も笑いに落ちるが役者の演技力で形を変えずに今に引き継がれるとあるマルティン・チエシュコの小論。→2025/04/30
俺、バカだからよくわかんねぇけどよ
0
ギリシア喜劇が実際どのように行われていたかの説明を含む諸論文のアンソロジー。壺絵などのビジュアル資料も含まれており興味深い。2024/11/13